元世界一・里崎智也に聞く「日本代表の正捕手をどう育てるか?」
世界ランキング1位として「プレミア12」初代王者を狙っていた日本代表だったが、準決勝で韓国にまさかの敗戦を喫してしまった。小久保裕紀監督は「継投ミス」と自らの失敗を敗因に挙げたが、それだけではない。正捕手の不在もまた、日本代表の課題として浮き彫りになった大会だった。2017年に開催される第4回WBCに向け「日本代表の正捕手」をどう育てていけばいいのだろうか。第1回WBCで日本代表の正捕手を務め、チームを世界一に導いた里崎智也氏に話をうかがった。
プレミア12では8試合中5試合で先発マスクを任された嶋基宏だったが......
日本代表になって、初めてボールを受ける投手もいます。まずはその投手がどんな変化球を投げるのか、その変化球はどのような曲がり方をするのかを覚えることから始まります。リードに関しては、各チームのエースが揃っているわけですから、そのピッチャーが気持ちよく投げられるようにすればいいんです。三振を取りたい投手もいれば、少ない球数で抑えたい投手もいる。それぞれが納得する打ち取り方ってあるんです。それをマウンドでの仕草や表情、首の振り方などから「気分よく投げているな」とか「本当はこのボールを投げたくなかったんじゃないか」というのを感じとることが大事なんです。
今回、「プレミア12」が始まる前、嶋基宏(楽天)に「相手の情報を必要以上に入れるな」とアドバイスしました。世界を相手にした時に無駄な情報をインプットしてはダメだからです。たとえば、メジャーで何百本のホームランを打っているとか。その情報があることによって、「インコースに詰まっているけど、メジャーで何百本も打っているからそのコースはやめておこう」となってしまう。
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