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なんと6度目のトライアウト。大平成一を支える「鬼嫁」の愛 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text&photo by Kikuchi Takahiro

 6度目のトライアウト、大平の打撃成績はセカンドゴロ、空振り三振、左中間二塁打、死球、空振り三振、センターフライ、ピッチャーゴロ。6打数1安打1死球だった。

「差し込まれた打席もありましたけど、やってきたことは出せたのかなと思います」

 この日、大平が着ていたのは古巣・日本ハムのユニフォームではなく、2012年から所属しているBCリーグ・信濃グランセローズのものだった。「やってきたこと」とは今季、信濃のコーチ、監督代行を務めた高橋信二(元オリックスほか)と取り組んできたことだ。ちなみに、高橋監督は2014年のトライアウトを受験した「経験者」でもある。

「昨年まで、トライアウトは1ボール、1ストライクのカウントから始まっていましたよね(今年はカウント0-0からスタート)。1球でも打ち損じたらチャンスはない。だから、初球から振れるようにしよう。それが信二さんの教えでした」

 結果的に今回のトライアウトは形式が違ったとはいえ、大平はBCリーグでトライアウトを見越して戦っていたことになる。また、高橋監督は日本ハムに2011年まで在籍しており、大平のNPB時代を知っている。その指導が大きかったのか、大平は今季、BCリーグで自己最多タイの9本塁打を放った。

「自分のなかでは、年々うまくなっているという実感はあります。でもこういう場(トライアウト)では、相手がいることなので。いくら自分の状態が良くても打てないこともありますし、すごいピッチャーを相手に打てる時もあります」

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