ベイスターズに来て幸せになった男たち (3ページ目)
前半戦の山場となった7月14日の巨人戦ではセカンドとショートの守備につきながら、2安打3打点と活躍し、首位ターン立役者のひとりになった。
「戦力外になって一度は死んだ身なので、何も失うものはありません。そういう意味では吹っ切れた感があるし、以来自分が思うようなプレイができるようになってきています」
打線が目立つ今シーズンのDeNAであるが、ピッチャー陣にも横浜に来た喜びを感じている選手はいる。
「家が近所なので小さいときはよく横浜スタジアムに来て、大洋ホエールズを応援していたんですよ。それに学生時代も投げていた球場ですし、知っている環境というのは、生活にしてもやっぱりやり易さというのはありますね」
そう語るのは、右のセットアッパーである長田秀一郎だ。横浜市栄区出身の長田は鎌倉学園高校から慶応義塾大学を経て2003年に自由獲得枠で西武に入団。主に中継ぎとして活躍し、2013年のシーズン途中に渡辺直人との交換トレードでDeNAに移籍した経験豊富な投手である。昨年は投手陣3番目となる52試合に登板。特に8月には19試合を投げ、防御率0.98と奮闘し、勝利の方程式の一角を担った。
「ようやくセ・リーグの野球に慣れてきた感じですね。パ・リーグは球場が広いので力勝負になってストレートで押す場面が多いんですけど、狭い球場の多いセ・リーグだとそれができないので、バッターの手元で変化するボールを意識的に使うようにしています。とはいえ、基本的にはやっぱり真っ直ぐで押したいですね」
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