2015.07.24

ベイスターズに来て幸せになった男たち

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

「トレードでこの球団に来なかったら、ここまで現役生活を続けられなかったかもしれない。野球人生において分岐点になりましたね」

 こう語るのは、横浜DeNAベイスターズのGOMEZこと後藤武敏G.である。後藤は2011年のオフに武山真吾との交換トレードで西武からDeNAにやって来た。以来、右の代打の切り札として、昨シーズンは得点圏打率3割8分3厘という勝負強さを発揮し、また今シーズンも2試合連続を含む代打ホームランを3本放つなど、熾烈なペナントレースを戦うDeNAにとってなくてはならない存在になっている。

今シーズン、DeNAの開幕投手を務めた久保康友

「トレードを機にバッティングや精神面を一回フラットにして、新しいことに挑戦してみようと思ったんです。まるでルーキーのように。その取り組みが、いい結果につながっている」

 地元・横浜高出身の後藤が代打でコールされると、その日一番の盛り上がりを見せる。ファンの声援や熱量は、生え抜きの人気選手たちに送るものと同質である。

「ありがたいことですよね。自分にとって横浜は第二の故郷。トレードが決まった時は不安もありましたが、学生の時から知る横浜の街で野球ができるというのは嬉しくもありました。ファンの方々の声援は僕の背中を押してくれるし、気持ち良く打席に立たせてくれる。だからこそ結果を出さなければいけない」

 成績の乱高下がありながらも奮闘する今シーズンのDeNAの踏ん張りは、筒香嘉智梶谷隆幸ら生え抜きの若手選手たちの成長が大きな要因なのは周知の通りだが、後藤のように他球団から移籍してきた選手たちの健闘も無視することはできない。