ヤクルトナインが語る「黒田博樹ツーシーム体験記」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Sportiva

ラスティングス・ミレッジ

 ミレッジはパイレーツ在籍時に、当時ドジャースだった黒田と対戦。09年と10年の2シーズンで通算6打数1安打の記録が残っている。

「とても頭のいいピッチャーだったことは覚えている。今回、日本で久しぶりに対戦したけど、特に変わったとは思わなかった。黒田はどちらかと言えば、メジャータイプの投球スタイルだ。オレの意識の中でも、彼を日本人投手ではなく、メジャーの投手として見ている」

杉村繁チーフ打撃コーチ

「40歳の投手とは思えないほど進化していた。ドジャースやヤンキースという名門で投げてきただけあって、精神的にも強くなっていた。何より素晴らしいのは、コントロールを間違えないこと。ピッチング関しては、もう少し技巧派かなと思っていたけど、完全なパワーピッチャーだよね。それに黒田にしてみてば、パワーで劣る日本人の打者は楽なはずですよ。メジャーでは遠くに飛ばされていた球が、日本ではゴロになるんだから」

 「ただ」と言って、杉村コーチは次のように試合を振り返った。

「あの試合はストライクゾーンが広すぎた。審判も、黒田一色となった球場の雰囲気に呑まれたのかな。とはいえ、そこにピンポイントに投げるんだからすごいよね。でも、ダルビッシュ有のように『どうにもなりません』という投手ではない。ストライクゾーン勝負なので、バットには当てられる。30日の試合でもチャンスはたくさんあった。ウチとしては、ゴロになってしまった打球をどう強いライナーにするのか、対策はもう考えていますよ。具体的なことはもちろん言えないけどね(笑)」

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