いざ開幕。栗山監督が断言「今年の日本ハムは抜群に面白い」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 2015年のプロ野球がついに開幕を迎える。なかでも注目は、大谷翔平が開幕投手を務める日本ハムだ。昨年、栗山英樹監督は西川遥輝や中島卓也、近藤健介といった若手を積極的に起用し、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルではソフトバンク相手に「あわや」と思わせる戦いを演じて見せた。まもなく始まる開幕を前に、栗山監督に今季の日本ハムについて聞いた。

就任4年目を迎えた栗山英樹監督。3年ぶりのリーグ制覇を目指す就任4年目を迎えた栗山英樹監督。3年ぶりのリーグ制覇を目指す

―― いよいよ監督として4年目のシーズンを迎えました。ここまで優勝、最下位、3位ときての今シーズン、監督がこのチームに感じている"マグマ"はどういったものですか。

「プロ野球にはいろんな楽しみ方があると思う。でも、開幕してから目に見えるカタチで本当にチームが強くなっていくさまというのは、あまり見られる現象じゃないよね。たとえば優勝が懸かってくるとチームっていうのは集中力が増して強くなるものだけど、でも、それは春先に比べてみんなの調子がよくなったということは感じたとしても、選手がまったく違って見えるということではないと思うんだ。ただ、今年のファイターズにはその可能性がある。春先と秋口を比べて、みんなが爆発して、別の選手に見えてくる可能性があるんだよ。だから、今年のウチは抜群に面白い。そうやってプロ野球を楽しめるなんて、めったにないことだからね」

―― 去年のCSでも、選手たちが前に進んだという話をされていましたが、その延長線上ということですか。

「あれは心のほうの話でしょ。プロ野球の世界では自分の成績が残れば、給料が上がって、家族を守れる。でも去年のCSでは、心の底からチームとして勝ちたいと思って戦う野球の醍醐味を感じながら、みんなが試合をやってくれた。だから力では劣っていても、ああいう戦いができたんだと思う。あの経験を通じて、チームとして集結する気持ちがあれば形になるということをみんなが理解してくれたんじゃないかな。だから、あれをきっかけに心の備えができたことで、今年、野球選手としてピークを迎える選手、変われるシーズンになるはずの選手がたくさんいるウチは、劇的なシーズンになると分析している......というか、願ってるんだけどね(笑)」

1 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る