2015.03.30

復帰初登板&初勝利。広島ナインが語る「黒田効果」

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • photo by Kyodo News

 3万を超える大歓声が背番号15を包み込んだ。8年ぶりに日本球界に復帰した広島の黒田博樹が3月29日のヤクルト戦に先発し、7回を投げ5安打無失点に抑える好投を見せて今季初勝利を挙げた。

日本球界復帰後初めての登板で勝利を挙げた広島の黒田博樹

 2740日ぶりのマウンド上がった黒田は、多くの注目を集めた中でもクレバーな投球を展開した。ストレートを主体に得意のツーシーム、カーブを織り交ぜ、強力ヤクルト打線に的を絞らせない投球で凡打の山を築いた。4回には自らライトオーバーの二塁打を放ちバッティングで魅せると、5回には好フィールディングのバント処理で併殺に仕留めるなど、攻守で存在感を見せつけた。

 黒田がチームに合流したのは2月18日。以来、キャンプ地の沖縄・コザには連日多くの報道陣やファンが詰めかけ、本拠地マツダスタジアムの年間シートも完売するなど、”黒田効果”は日を追うごとに勢いを増していった。

 そして”黒田効果”は、一緒に戦うチームメイトにも及んでいた。あるチーム関係者が言う。

「黒田が復帰して、いちばん影響を受けたのが(前田)健太だと思います。これまではカープ投手陣をひとりで背負っているところがありましたから。黒田が戻ってきてくれたことで精神的な負担はかなり軽減されたと思います。それに健太は相当な負けず嫌いで、黒田といえども負けたくないと思っているはず。いい意味で闘志に火がついたと思いますよ」

 また、黒田への期待は勝利数だけではない。投球術、投球に対する考え方、経験に裏付けされた言葉。黒田の復帰によって、有形無形の効果はすでに出ている。