2015.02.05

巨人・菅野智之がキャンプ初日のブルペンに入らなかった理由

  • 高松正人●文 text by Takamatsu Masato
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 2月1日のキャンプイン。原辰徳監督をはじめ、多くの報道陣、ファンが見守る中、真新しいユニフォームを着た投手陣が投げ込みを行なうブルペンに、巨人の開幕投手最有力候補・菅野智之の姿はなかった。

 全体練習を終えた後、菅野はひとり室内練習場に向かった。捕手を立たせた状態で約20メートルのキャッチボール。平坦なところから力のあるボールを投げていた。そのボールの勢いを見れば、初日からブルペンに入ってもおかしくない状態に思えた。

昨年、チーム最多の12勝をマークした菅野智之

 これまで2年間は2月1日にブルペンに入っていた菅野だったが、照準を初日に絞ったことで、キャンプ中は体が思い通りに動かず、納得できる投球ができなかった。2月1日のブルペン入りが厳命される中、「今年はコンディショニングを大事にしたい」と、キャンプ初日のブルペン入りを控えた。キャンプ地の気温にも慣れ、万全の状態でブルペンに入りたかったのだ。そこには、エースとしての"自覚"があった。

「昨年は開幕を任されました。毎年、(開幕投手が)コロコロ変わるのはチームにとっても良くないと思う。もちろん、そこ(開幕)を目指していきます。キャンプでは自分が納得する形で、しっかりと調整していきたい」

 昨年、入団2年目にして開幕投手を任された菅野は、シーズン12勝を挙げ、リーグ3連覇に貢献。誰もが認める"巨人のエース"となった。開幕投手はシーズン初戦を任されるだけでなく、投手陣の軸として1年を戦っていくというチームの意思表示でもある。だからこそ、誰にも譲るわけにはいかないのだ。

 ただ、他の投手も黙ってはいない。これまで巨人の開幕投手を3度務めた内海哲也は、次のように語る。

「投手である以上、開幕投手を目指すのは当然。(菅野)智之があぐらをかかないように、しっかりと調整していきたい。隙があれば、狙いますよ」

 もちろん、菅野に慢心はない。「他のみんなも開幕を目指してやってくると思うので、負けないくらいアピールしていきたいですね。競争を勝ち抜きたい。それがチームにとってプラスになる」と言う。