谷繁監督が挙げる「2015年、ドラゴンズのキーマン」

  • キビタキビオ●構成 text by Kibita Kibio
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

谷繁元信×野村弘樹 対談(3)

 谷繁元信プレイングマネージャーの1年目は4位という結果に終わったが、その中で来季につながるものはあったのか。ベイスターズ時代にバッテリーを組んだ野村弘樹氏が聞き手となり、来シーズンに向けての戦いについて語ってもらった。
(前回の記事はこちら)

野村弘樹氏(写真右)に来季の巻き返しを誓った谷繁元信プレイングマネージャー野村弘樹氏(写真右)に来季の巻き返しを誓った谷繁元信プレイングマネージャー

野村 プレイングマネージャーとして1シーズンを終えて、収穫があったとすれば何ですか?

谷繁 選手のことを、ある程度把握できたことです。正直、選手だけの時はそこまで相手のことを知ろうということはなかったのですが、今年はひとりひとりと向き合って、彼らの性格や考えていることがわかりました。

野村 新たに気づいたことが多かった?

谷繁 たとえば先発ピッチャーなら、次の登板に向けたルーティンってあるじゃないですか。対戦相手の打者の攻め方など、ある程度シミュレーションしますよね。中継ぎにしても、ブルペンで待機している時に、「こういう状況になったら行くよ」と事前に指示していますから、どんなピッチングをすべきか、ある程度想定できると思うんです。ところが、そういうことを考えていなかった選手が結構いたんです。結果はどうであれ、もっとしっかり準備すべきですよね。

野村 体の準備はしていても、頭の準備はできていなかったわけですね。実際に想定通りに行くかどうかは別として、そういった準備だけはしておかないと。それをしないと、どんな攻めをしないといけないのか、絶対に投げてはいけない球は何なのかがわからない。キャッチャーのサインに対して、「その球種なのか?」というところまで入っていけないですよね。

谷繁 そうなんですよ。だから一度、あるピッチャーに全部真っすぐのサインを出し続けたことがあります。いつ首を振るのかなって。何球が投げて、やっと首をかしげていましたけど、こっちとしては「もっと早く気づけよ!」という心境でした(笑)。

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