【プロ野球】東野峻「子どもが物心つくまでユニフォームは脱げない」 (4ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

 来年から東野のホームとなる横浜スタジアムは、東野が2008年9月に初勝利を挙げた場所であり、チームカラーのブルーは大好きな色だ。

「ベイスターズは上を目指そうという意識が強い、勢いのあるチームだと思っています。投げる場所はどこでもいいので、とにかく一軍に上がってチームの力になりたい」

 東野が以前の勢いを取り戻せば、初のクライマックス・シリーズ進出を目指すチームの大きな力になることは間違いない。またチームメイトには巨人時代の同僚である(高橋)尚成や林昌範がいるので新天地への不安もない。
尚成…東芝から1999年のドラフトで巨人を逆指名し入団。09年オフに海外FAでメジャーに移籍。昨年、DeNAに移籍し、5年ぶりに日本球界に復帰した。
林昌範…市船橋高から01年ドラフトで巨人に7巡目で指名され入団。08年オフ、トレードで日本ハムに入団。11年に戦力外となるも、DeNAへの入団が決まった。

「活躍したこともあれば、トレードやクビも経験しました。そういう意味ではいい野球人生を過ごしていると思うし、この経験を来年に生かしたい。あと、最近、4歳の長男が野球に興味を持ちはじめて、野球教室に通い出したんです。だから僕が活躍する姿を見せてあげたいし、今度生まれる子も男の子なので、物心がつくまではユニフォームを着ていたいという気持ちが、今は強いんです」

 家族を思い引退まで決意した男は、家族のために野球に戻ってきた。ハマスタのカクテル光線の中で奮闘する、この泥臭い男の投球を見てみたい。

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