松井裕樹が今シーズンを総括。 「もう、プロで不安はない」 (3ページ目)

  • 島村誠也●取材・文text by Shimamura Seiya
  • 織田桂子●写真 photo by Oda Keiko

――先日、来年は全試合完投を目指すという話をしていました。

「来年、目指すというより、いつかはそうなりたいですね。自分は、先発ピッチャーというのは試合を投げきってこそだと思っているので。自分も今年、リリーフをやって毎日、毎日、大変だということを理解できました。だから、サブさん(福山博之)だったり、西宮さん(悠介)たちの負担を少しでも減らして、少しでもリリーフの方たちがいい状態で投げられるように、自分ができるだけ長いイニングを投げていきたいですね」

――さて、松井選手はプロ野球の世界を初めて経験したのですが、何か驚いたり戸惑ったことはありますか。

「うーん、やっぱりナイターですかね。初めてのことでしたから。ビジターですと、練習もホームチームのあとになるので、ホテルを出発するのが3時じゃないですか。3時っていったら、高校生のときには、練習してゴハン食べて、もう1回練習して、体がヘトヘトの時間なんですよ(笑)。その時間に出発ですからね。午前中の時間の使い方が難しいなと。前日、夜遅くまでテレビ見たりして寝る時間を遅くしたりしたんですが、やっぱり早く起きちゃったりするんですよね(笑)。後半はナイターの生活にも適応できるようになりましたけど」

――こう、見ているとシーズンの疲れはなさそうですが、すぐに野球をしたいという感じですか。

「今すぐというか、来シーズンが楽しみなんです。1年間公式戦が続くというのは初めてでしたが、今年、ほとんど一軍でやらせていただいて、シーズンを戦うということがわかりました。その経験を来年に生かせればなと。去年の今頃とは気持ちがまったく違います。疑問や不安がまったくないんで」

――これから、先輩の則本昴大選手や、田中将大選手(ヤンキース)と一緒に自主トレすると聞きました。

「はい。そう、則本さんの日米野球の投球(5回6三振、パーフェクト)は今年、一番の驚きでした。田中さんとは、ほとんどしゃべったことがないんで楽しみですね(笑)」

 松井の言葉は素直で、来シーズンへの手ごたえは本当のことだろうと信じることができた。2年目の松井裕樹のピッチングを早く見たい。そんな気持ちにさせられた。

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