本塁打ゼロの男・岡田幸文「だから守備は誰にも負けたくない」

  • 島村誠也●取材・文text by Shimamura Seiya
  • 織田桂子●写真 photo by Oda Keiko

 岡田幸文(おかだ・よしふみ/千葉ロッテ)の醍醐味は外野守備にある。その守備だけで"金が取れる"と言い切る野球ファンも多い。2011年には外野手として、シーズン連続守備機会無失策359回というプロ野球記録を樹立。今年の8月10日の西武戦では、前に、横に、走り、飛び込み、美技を連発。炭谷銀仁朗の鋭いセンターライナーに、背面ジャンピングキャッチをきめた場面は今も記憶に鮮やかだ。このプレイはファン自身が元気づけられた魂あふれるベストプレーに贈られる「ジョージア魂賞」にも選ばれた。

スーツ姿も凛々しい、ロッテ・岡田幸文外野手スーツ姿も凛々しい、ロッテ・岡田幸文外野手

「僕の外野守備が一番!とは思っていませんが、守備では誰にも負けたくないですね。オーバーフェンス以外は捕れるチャンスがあるはずなんで、そのちょっとした可能性を自分で考えながら守備についています」

 そうはっきりと言った岡田に、外野守備の極意について話を聞いてみた。

――あの8月10日の試合の美技3発は、打者で例えれば1試合3本塁打みたいな感じなんでしょうか。

「どうなんですかね。僕はホームランを打ったことがないですし、どう比べればいいのかがわからない(笑)。ただ、ひとつのファインプレイでチームが乗っていけると思うし、個人的にもいい守備をすることが、いい打撃につながります。守備に関してはスランプもないですし、相手チームの得点を阻止することは確かなことですよね」

――相手チームの3点を阻止したので、やはりそれは、打者としての3打点に匹敵すると思います。

「うーん、そうなんですか(笑)。その貢献度はわからないけど、相手の得点を阻止できたことは自信にしてもいいと思っています」

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