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松井裕樹が今シーズンを総括。 「もう、プロで不安はない」

  • 島村誠也●取材・文text by Shimamura Seiya
  • 織田桂子●写真 photo by Oda Keiko

 松井裕樹(東北楽天)を見て、まず感心したのが椅子に座る姿勢の美しさだった。先日行なわれた、ファン自身が元気づけられたベストプレーに贈られる「ジョージア魂賞 年間大賞発表」表彰式での松井のスーツ姿は実にサマになっていた。19歳のスーツ姿というのは大抵、七五三みたいになるのだが......。「あれ、ずいぶんと落ち着いた19歳だな」。これが球場以外で松井を初めて見た印象だった。

 2013年のドラフトで5球団が競合した松井裕樹のプロ1年目のシーズンが終わった。27試合に登板。4勝8敗。116イニングを投げ、126奪三振、67四球、防御率は3.80。負け越したものの、高卒新人1年目としては立派な成績である。その松井に今シーズンを振り返ってもらった。

後半戦はしっかりローテを守った東北楽天・松井 裕樹投手。来季に期待が高まる後半戦はしっかりローテを守った東北楽天・松井 裕樹投手。来季に期待が高まる

 春のキャンプから松井への期待値は相当に高いもので、それは無理のないことだった。高校2年の夏の甲子園で、2試合41奪三振という高校記録を樹立。躍動する左腕にはロマンを感じずにはいられなかったからである。オープン戦では4試合に登板し2勝をあげた。投球内容も16回を投げ、17奪三振、3四球、防御率1.13という文句のつけようのないものだった。

――オープン戦の好投もあり、周囲の期待が大きすぎて、困ったりしませんでしたか。

「注目していただけるのはありがたいことですから。それがプレッシャーになることはなかったですね。オープン戦では、打者との対戦、単純に勝負するということでの不安は感じませんでした。ただ、オープン戦は、相手も僕の戦力分析にかかってくると思っていたので、開幕すれば、マウンドまわりだったり、揺さぶりをかけてくることはわかっていました。公式戦の課題としては、そこをどれだけ防げるかということだったんですが、自滅も含めやっぱりそこから崩されてしまった」

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