2014.11.27

もはや侍ジャパンは全パ!? セの選手に求められる個性

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 日米野球は侍ジャパンがMLB選抜に3勝2敗(親善試合は除く)と勝ち越して終わった。とはいっても、相手のモチベーションやコンディションを考えれば、単純に「双方の力の差はなくなった」などと言えないことは、言うまでもない。

 ただ、今回の日米野球ではっきりしたことがひとつある。それは、パ・リーグとセ・リーグの格差だ。豪快なスイングでMVPを獲得した柳田悠岐(ソフトバンク)、負け投手にはなったが4イニングで7個の三振を奪った大谷翔平(日本ハム)をはじめ、パ・リーグの選手の活躍が目立った。ちなみに、選ばれた28人のうちパ・リーグが18人、セ・リーグは10人だった。

日米野球第3戦で先発した則本昂大はメジャー相手に5回完全の好投を見せた

 さらに、侍ジャパンのクリーンアップを担ったのは糸井嘉男(オリックス)、中田翔(日本ハム)、内川聖一(ソフトバンク)の3人。そして、何より象徴的だったのが第3戦。MLB相手に則本昂大(楽天)、西勇輝(オリックス)、牧田和久(西武)、西野勇士(ロッテ)の4人の投手リレーでノーヒット・ノーランを演じたのだ。彼らはみんなパ・リーグの選手である。

 それに対してセ・リーグの選手はどうか。菊池涼介(広島)が攻守にはつらつとしたプレイを見せたが、その他に強烈なインパクトを残した選手となるとすぐに思いつかない。実際、メジャースカウトから名前が挙がった選手も、大谷や則本を筆頭にパ・リーグの選手の方が圧倒的に多かった。

 こうしたセ・パの格差は、何も今回の日米野球だけに見られた現象ではない。

 たとえばWBC。初代王者となった2006年のメンバーの内訳を見ると、パ・リーグが16人、セ・リーグが12人、メジャーが2人。連覇を果たした2009年は、パ・リーグが12人、セ・リーグが11人、メジャーが5人。2013年はパ・リーグ15人、セ・リーグ13人と、いずれの大会もパ・リーグの選手の方が多い。

 さらに顕著なのは投手陣だ。これまでWBCで日本代表は通算17勝をマークしているが、そのうちパ・リーグの投手が挙げた勝ち星は10勝(セ・リーグ4勝、メジャー3勝)に上る。2006年は上原浩治(当時・巨人)、2013年は前田健太(広島)がそれぞれ2勝を挙げるなど活躍したが、2009年にいたっては7勝のうち3勝が松坂で、ダルビッシュ有(当時・日本ハム)が2勝、岩隈久志(当時・楽天)が1勝、涌井秀章(当時・西武)が1勝と、セ・リーグの投手はひとりも勝ち星を挙げていない。