米スカウトが断言「大谷獲得には200億円が必要になる」

  • 永塚和志●文 text by Nagatsuka Kazushi
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 8年ぶりに開かれた日米野球が終了したが、前田健太(広島)、金子千尋(オリックス)、大谷翔平(日本ハム)といった今後メジャー行きが噂されている選手たちを見るために、数多くのメジャーリーグスカウトが訪れた。彼らの目に、侍ジャパンの選手たちはどのように映ったのか。

11月18日の日米野球で先発して4回2失点ながら、7個の三振を奪った大谷翔平11月18日の日米野球で先発して4回2失点ながら、7個の三振を奪った大谷翔平

 某メジャー球団のスカウトA氏はこう言う。

「前田(健太/広島)にしても金子(千尋/オリックス)にしても共通しているのは球種が多く、しかもどの球でもストライクを取れるコントロールがあるところ」

 ただ、現段階では前田の方がメジャーに向いていると、A氏は言う。

「前田の方が金子よりも体が大きく、ストレートにも力がある。内面的な部分でも、金子のハートが強くないと言っているわけじゃないが、前田の方がよりタフに見受けられる」

「日米野球だけで判断するわけではないけども」と前置きしつつ、メジャー球に近い今回の使用球への順応も前田の方が良かったと、A氏は言う。

「(昨年の)WBCで使っているから慣れているというのもあるかもしれないが、前田の方がアメリカのボールをよりうまく使えているように感じた。とりわけ、京セラドームの試合(第1戦)ではツーシームがよく決まっていたし、視界から消えるチェンジアップも良かった」

 また、別球団のスカウトB氏は前田のスライダーに注目する。

「(第1戦では)スライダーで空振りを取れていた。あのスライダーは厄介だね。ストライクゾーンを広く使えるのも良い」

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