秋山監督辞任を乗り越え、ソフトバンクは再び輝けるか? (2ページ目)
ソフトバンクにとって、CSは鬼門中の鬼門である。(プレイオフを含めると)過去10年で8度出場するも、日本シリーズ進出は、ペナントレースで2位に17.5ゲーム差という圧倒的強さを見せつけた2011年の一度だけ。04年、05年、10年はレギュラーシーズンで1位になりながら敗退。CSの歴史は悔し涙の歴史といっても過言ではない。
その敗因として挙げられたのが、レギュラーシーズン終了からポストシーズンまでの実戦不足。そのための宮崎遠征だった。だが、今年ばかりは、内川が言うように「空白」の期間がプラスに作用するのではなかろうか。
「シーズン終盤の9月半ば過ぎは、みんな心身ともにかなりのストレスを抱えていました」
そう語ったのは今季44ホールド、防御率1.52と大活躍した五十嵐亮太だ。9月17日、ソフトバンクは優勝マジック点灯に王手をかけながら、以後1勝9敗の大失速。しかし、2位オリックスも肝心なところで勝てなかったおかげで、何とか「10・2」の大一番で最後振り切った形でのリーグ優勝を成し遂げることができた。
選手会長の松田宣浩も次のように語る。
「この調整期間の中で(対外試合は)宮崎での1試合だけ。ですが、何より体調面が良くなったと思います」
さらに――「あの『10・2』を迎える前も試合間隔が3日間空きましたが、時間があったからこそ相手の先発投手だけでなく、中継ぎの映像もチェックすることができました」と松田は言う。
優勝決定のサヨナラ打を放った松田が、あの打席で対戦したのは今季2度しか対戦のない比嘉幹貴(オリックス)。勝負球の外角スライダーを見事に狙い打ったのには、そうした理由も大きかった。
そしてCS突破への重要なカギを握るのは初戦だ。パ・リーグでは、初戦を落として日本シリーズ進出を決めたのは2004年の西武だけ。過去9年連続で初戦に勝利したチームが勝ち抜いているのだ。
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