2014.10.11

日本ハムのキーマン・中島卓也が語る「2番打者の極意」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Nikkan sports

 ファウルを打ち続けている間、スタジアムの喧騒はまったく聞こえていない。

「応援歌とか声援は、打席に入るまでは聞こえているんですけど、打席に入っちゃうと集中しますからね。ファウル、ファウルで粘っていると、ああ、湧いてくれているなというのは何となくわかりますけど、音は聞こえなくなります」

 8月以降、ファイターズの2番に定着したのが背番号9、23歳の中島卓也だ。

今季、日本ハムの2番に定着した中島卓也

 福岡工高からドラフト5位で入団して、今年でプロ6年目。去年も一軍で127試合に出場したが、スターティング・ラインアップに名を連ねたのは7月以降(78試合)。9番セカンドの定位置を獲得したものの、昨シーズンは打率.238という結果に終わった。中島が言う。

「だから今年こそはと思って、まずは開幕スタメンを目標にしていたんですけど、それは叶いませんでした。でも途中から2番バッターとしてスタメンで出続けることができましたし、打率はそんなに高くなかったけど(.259)、規定打席にも届いた。そういう意味では、充実した1年だったと思います」

 今シーズンの中島といえば、真っ先に思い浮かぶのが”ファウル”である。追い込まれてからも空振りすることなく、カット、カットで粘る。

 7月21日、大阪で行なわれたバファローズとの一戦ではブランドン・ディクソンに16球を投げさせた。この打席で打ったファウルは12本。結局はショートゴロに倒れたが、先発ピッチャーを疲弊(ひへい)させるのに十分な働きをした。7月27日のイーグルス戦では、則本昂大を相手に、またもファウルを打ち続けた。

「あの打席は一番、印象に残っています。1点負けている7回だったかな。ワンアウト一塁で打席に入って、ピッチャーは則本でした。粘って粘って、ずっと粘って、最後はフォアボールでつないだ。その直後、中田(翔)さんが逆転3ランを打って勝ったんです。すごく嬉しかったし、(ファウルで粘れたことが)よかったと思いました」