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日本ハムのキーマン・中島卓也が語る「2番打者の極意」 (3ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Nikkan sports

 そんな中島にアドバイスをしたのが、2年後輩の西川だった。

「休みの日に遥輝と一緒に練習してたんです。ティーバッティングのとき、『オレ、どんな感じ?』って聞いてみたら、アイツ、こう言うんです。『体からバットが 離れてるからもっと脇を締めて、体の近くを通すイメージで振ったほうがいいんじゃないですか』って……それがすごく的を射ている気がして、さっそく意識してみたら、すごくいい感じだった。アイツ、凄いんですよ。ストイックだし、バッティング理論もしっかりしてるし、だから納得できるんです」

 8月以降、ファイターズに定着した、西川との1、2番コンビ。今シーズン、盗塁王に輝いた西川が一塁に出ると、2番として中島はいろんな制約を受ける。

「確かに、アイツは初球から走れるタイプなんで、最初から遥輝の動きは気にしてます。スタートしたと思ったら、わざと空振りしたり、セーフティバントのマネを したり、考えることは増えますよね。ただ、遥輝が走りにくそうだなと思ったら、逆に早めに打ちにいくこともあります。盗塁を警戒すればショートはセカンドベースに寄りますし、配球もまっすぐが多くなるので、広がった三遊間は狙いやすくなるんですよね」

 西川が出て、中島が粘る。盗塁、フォアボール、送りバント、エンドラン……あらゆるツールで得点圏にランナーを送り、陽岱鋼、中田翔、そしてバッターとして出ている時の大谷翔平へとつなぐ。1、2番がかき回して、中軸で還すというのが、今のファイターズの得点パターンだ。

「ずっと上位を打ちたいと思っていましたし、2番というのはやりがいがあります。打てのサインが出ていてもわざとバントの構えをしたり、甘いストライクを見逃したり、最近は犠牲心も大事だなと思えるようになったんです(笑)。1、2番が機能すると点が入るし、遥輝が出たら、ノーアウト1、2塁かワンアウト3塁を作って、クリーンアップにつなぎたいと思っています」

 バファローズとのファースト・ステージ。初戦は金子千尋、2戦目にはディクソンの先発が予想される。

「ディクソン、イヤですねぇ。ああいうタイプ、僕はイヤなんですよ」

 えっ、16球も粘った相手なのに――?

「コントロールがあんまりよくなくて、ボールが散らばるピッチャー、苦手なんです。外国人には多いんですけど、ディクソンはとくにそのタイプなんで、我ながら、あの時はよく粘りましたよね。もう、あんなには粘れません(苦笑)。だから早めの勝負を仕掛けようかなと思ってます」

 うーむ、本当だろうか。

 まさか、“まんじゅうこわい”ではなかろうな(笑)。

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