最弱投手陣のヤクルトが後半戦の台風の目に! (2ページ目)
高津臣吾ピッチングコーチは、点の取られ方が悪すぎたと話す。
「重要なのは点の取られ方で、たとえば4連打で1点取られるのか、それともフォアボールやミスが絡んで失点するのか。フォアボールが絡んでの失点はビッグイニングにつながりやすいんです。だから、僕は単純に『ストライクを投げろ』『フォアボールを出すな』と口うるさく言っています」
しかし、こうも揃って不調に陥(おちい)るものなのか。
「先程、負の連鎖といいましたが、結果的に実力がないだけだと思うんです」(石川)
そう語る石川だが、ヤクルト投手陣にとって最大の誤算はケガ人の多さではないだろうか。現在、ケガにより登録を抹消されている投手を見てみると――。
由規...昨年4月に右肩のクリーニング手術を行ない、現在リハビリ中
杉浦稔大...3月15日に右肘内側副靭帯断裂が判明し今季絶望
バーネット...4月4日に左膝靭帯部分断裂し登録抹消
村中恭平...4月6日に腰痛のため登録抹消
館山昌平...4月10日に右肘内側側副靭帯再建手術。今季絶望
小川泰弘...4月18日の試合で打球を右手に受け骨折
ロマン...4月28日、右ヒジに違和感を訴え登録抹消
昨年右肩手術を行なった由規はともかく、今年だけですでに6人もの投手がケガにより戦線離脱。いずれもチームの中心を担う選手だけに、事の深刻さが伝わってくる。そもそも、ヤクルトの投手陣は伝統的に肩やヒジなど、大きなケガに泣かされてきたイメージが強い。荒木大輔、岡林洋一、伊藤智仁、川崎憲次郎......。ただの偶然か、それとも何か理由があるのだろうか。
「他のチームの主力級の投手だって故障していますからね。どのチームでも、メスを入れる投手はいますし、ヤクルトの投手だけが......というわけではないと思います。僕たちはケガを恐れているわけじゃないし、そういう記事を見ると『また書いているな』と思うぐらいですよ」(石川)
「ヤクルトの投手と故障の因果関係ですか? 現役時代、僕はヤクルトで歴代1、2位を争う登板数を投げてきましたが、チームから離れるようなケガをしたことはありません。うーん、荒木さんの頃とは時代が違うし、(伊藤)智仁の時とも違う。何か理由があるかもしれないけど、これだというものは思い浮かばないですね」(高津コーチ)
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