2014.06.16

プロ初先発で堂々。育成・飯田優也がソフトバンクを救う

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

 ソフトバンク2年目の左腕投手、飯田優也(23歳)が、6月15日のDeNA戦(ヤフオクドーム)でプロ初先発を果たした。誰もが緊張するはずの舞台で、プレイボール直前にはマウンドで笑顔も浮かべる余裕を見せたるなど、初回は三者凡退。その後は幾度も走者を背負ったが、まったく慌てる素振りはなく5回までDeNA打線を無得点に抑えた。

神戸弘陵高から東京農業大学北海道オホーツク硬式野球部を経て、2012年に育成ドラフト3位でソフトバンクに指名された飯田優也。

 しかし、6回に連続四球を与えたところで降板。リリーフ陣が打たれ2失点で負け投手となったが、大器を感じさせる堂々としたマウンドさばきだった。

 育成選手だった飯田は今シーズン、ファームで9試合登板して7勝0敗、防御率1.58。二軍とはいえ突出した成績を残し、5月11日に支配下登録された。

 ストレートは140キロ台中盤を常時マークするが、変化球は2種類のスライダーにチェンジアップと、球種は決して多くない。だが、飯田自身が「一番の武器」というスライダーは、対戦した相手打者が「打席で消えた」というほど鋭く曲がり落ちる。また、チェンジアップは昨年のオフに参加したプエルトリコのウインターリーグで習得したものだ。その効果について、飯田は次のように語る。

「チェンジアップを投げられるようになったおかげで、ピッチングの幅が格段に広がりました。もともとスライダーには自信があったのですが、チェンジアップをマスターしたことで心に余裕が持てるようになって、バッターに対して自信を持って向き合うことができるようになりました」

 飯田の一軍初登板は、6月11日の中日戦。2点ビハインドの8回から登板すると、平田良介をショートフライ、堂上直倫をサードゴロ、谷繁元信をセンターフライに打ち取った。平田に対しては直球勝負で挑み、141キロの外角球でストライクを取ると、続く140キロは胸元をズバッと突き打ち取った。そして堂上には得意のスライダーで泳がせ、谷繁には徹底して内角を突いた。

「まだ若いので、うまいピッチングなんて出来ません。それよりも投げっぷりの良さ、強気で攻めるスタイルでどんどんアピールしていきたいと思っています」