ハマの大エースへ。井納翔一が語る「2年目の飛躍のワケ」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by(C)YOKOHAMA DeNA BAYSTARS

―― 他にも、食事の管理にも気をつけていられると。

「昨年はどうしてもお腹が空いて、ロッカーに置いてあるおにぎりやパンをついパクッと(笑)。登板前もお腹いっぱい食べていました。そのことを(当時投手コーチの)デニーさんに2度ぐらい注意されてからは食べていません。昨年は体が重くなったことに途中まで気づかなかったんです。ある時、どうも自分の理想のフォームで投げられなくなったので体重計に乗ってみると、87キロから94キロになっていました。入団してから7キロも太っていたんです。それでトレーナーの方と相談して3キロほど落とそうということになって、91キロになったのが9月ぐらい。それから腰のキレが戻ってきました。9月は(3勝1敗と)成績が良かったので、自分は91キロがベスト体重なのかなと。だから、今は91キロを維持しています」

―― あと、昨シーズン終盤から登板前に相手打者の映像を見て、研究するようになったそうですね。

「相手チームの試合のDVDを見て、自分の持っている球種を考えながら、『こういうボールで抑えよう』『こう攻めれば抑えられるんじゃないか』と研究しています。情報があるのとないとでは、気持ちの部分で違います。試合に入って、自分の考えと違っていたとしても『じゃあ、こうなのかな』と余裕を持って攻め方を変えることができる。最近は高城(俊人)とバッテリーを組むことが多いのですが、自然と首を振る回数も増えています」

―― 高城選手の反応は?

「高城は『何で首を振るんですか』とは言わずに、『投げたいボールをどんどん言ってください』と言ってくれます。高城も自分もお互いに勉強しながらやれているのかなと思います」

―― 考え通りの攻めができて打ち取った時は、"してやったり"といった感じですか。

「実際は、抑えられたとしても配球に正解はありません。球数を少なくして抑えることができたら、それが自分の中では正解です」

―― 井納投手は、アドバイスを素直に聞かれるタイプですか。

「1対1の時は聞きますけど、人が大勢いる時は聞いていないですね(笑)。ただ、自分にとってためになる話の時は聞いています。興味がないと、本当にマイペースなので、聞いていない時が多いです。だからよく、三浦(大輔)さんに『話を聞いてんのか』って怒られるんです。それに、ちゃんと聞いている時でも、聞いていないように見えるみたいで......。それで怒られても、反省しているように見えないみたいで、また怒られます(笑)」

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