2014.06.02

ハマの大エースへ。井納翔一が語る「2年目の飛躍のワケ」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by(C)YOKOHAMA DeNA BAYSTARS

 今季開幕前は評判の高かった横浜DeNAベイスターズだが、6月1日時点で21勝30敗、セ・リーグ最下位に甘んじている。開幕と同時に、三嶋一輝、三浦大輔、山口俊らの投手陣が揃って不調に陥(おちい)ったことが大きく影響している。そんな中、2年目の井納翔一が投げるたびに存在感を示している。ルーキーイヤーの昨年は5勝に終わったが、今季ここまでリーグ最多の7勝(2敗)をマーク。5月23日の日本ハム戦ではプロ初完封を果たすなど、低迷するチームにあって大きな希望の光となっている。今季の活躍を井納はどう捉えているのか。本人を直撃した。

木更津総合高校から上武大、NTT東日本を経て、昨年ドラフト3位でDeNAに入団した井納翔一。

―― 今季は開幕から順調に白星を重ね、チームの勝ち星の3分の1を井納投手が挙げています。好調の理由はどこにあると思いますか。

「ストライクでどんどん勝負できているところだと思います。あと、結果も出るようになって、少しずつですが自信になってきた部分もあります。課題は、ランナーを出した時と追い込んでからのボールですね。そこの精度をもう少し高めていきたいです。自分の持ち味はテンポなのですが、ランナーがいると少し崩れてしまうんです。気持ち的には変わっていないと思うんですけど……。今年は開幕前に自分の中でこれだけは守ろうと決めたことがふたつあります。ひとつは先程も言いましたが、テンポ良く投げるということ。これは調子が良くても悪くてもできることなので。そしてもうひとつが、ストライクで勝負すること。このふたつだけはしっかり守ろうと、マウンドに上がっています」

―― テンポを大事にする理由とは?

「昨年、2度目のファーム落ちの時に木塚敦志ピッチングコーチに『お前の持ち味は何だ?』って聞かれたんです。それで『テンポです』と答えたら、『お前がテンポ良く投げることで、野手はいいリズムで攻撃に入れるんだ』と。それはアマチュアの時から考えていましたが、木塚コーチからもう一段階上の考え方を教えていただきました。相手打者からすれば、テンポ良く投げられると次にどんなボールを投げてくるのか頭を整理しづらくなる、と。そうなれば、少々ボールが甘くなっても打ち損じる確率が高くなる。それから、テンポ良くどんどんストライクを投げることにこだわるようになりました」

―― ただ、開幕から4試合は初回に失点を許してしまいました。

「甘いところへ投げちゃいけないと、強く意識しすぎてしまいました。自分でも窮屈に投げているなとわかっていたのですが、際どいコースを突きすぎて、結局カウントを悪くして打たれてしまった。確か4月26日の阪神戦だったと思うのですが、立ち上がりの考え方を変えたんです。2回、3回の時と同じように大胆にストライクを投げて、とにかく打たせることを心掛けました。そこでようやく初回を0点に抑えることができて、今もそれを続けられています」