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交流戦開幕。セがパに勝ち越すための打開策はあるか? (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 昨年は投打ともにパ・リーグの選手が上位を独占。山崎氏が指摘するように、セ・パの選手に実力格差が生じていることを感じずにはいられない。こうした個々のレベルの差が、勝敗に大きく影響しているのだろうか。解説者の与田剛氏は次のように語る。

「交流戦は2連戦の変則日程ですので、いい投手の揃うチームが有利になります。成績を見てもわかるように、いい投手が多いパ・リーグの方が優位に戦えているというのはあると思います。ただ昨年の交流戦を見る限り、セ・リーグとパ・リーグの選手個々のレベルの差というものは、以前ほど感じませんでした。結果的にパ・リーグ80勝、セ・リーグ60勝に終わりましたが、数字ほどの差はなかったと思います」

 ではどうして、こうした差が生まれたのか。与田氏が続ける。

「昨年の交流戦は11位のヤクルトが借金9、12位のDeNAが借金10とセ・リーグの2チームが大きく負け越してしまいました。でも、他のセ・リーグのチームを見ると、巨人と阪神が勝ち越し、広島と中日も負け越したとはいえ互角の戦いをしていました。だから、パ・リーグにまったく歯が立たなかったというわけではありません。大きく負け越したチームが2つもあったことがこれらの原因だと思います」

 とはいえ、今年もヤクルトとDeNAはセ界で苦戦を強いられており、再びパ・リーグの餌食になる可能性はある。そんな状況で、セ・リーグがパ・リーグに勝ち越すにはどうすればいいのだろうか。野球解説者の金村義明氏に「打開策はあるか?」と尋ねると、次のような答えが返ってきた。

「これまでの交流戦の優勝チームを見ると、やはりどのチームも打ち勝っている印象が強いです。谷間登板がない交流戦は、いい投手が揃っているチームが有利と言われていますが、逆に考えれば、それらの投手を打ち崩さないことには勝てません。つまり、打線の強いチームが有利だと思うんです。そういった意味で、今のヤクルトはよく打ちますし、DeNAにしてももうすぐケガで離脱していたブランコが戻ってきます。それに今年は広島が投打ともに充実しています。とにかく、打撃を全面に押し出して戦うべきだと思います。セ・リーグのチームはそこに活路を見い出すしかないでしょうね」

 昨年、60本塁打の日本記録を樹立したヤクルトのバレンティンは今季もここまで(5月17日現在)両リーグトップの15本塁打をマークしており、DeNAには長年キューバ代表の中軸を担っていたグリエルが加入する。外国人頼みは寂しいが、今までパ・リーグに大きく負け越していた2チームが持ち前の攻撃力を発揮すれば、セ・リーグにも勝ち越しの目が出てくる。

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