2013.11.27

小池正晃「横浜愛と神様が打たせてくれたホームラン」

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by(C)YOKOHAMA DeNA BAYSTARS

プロ野球「行く人、来る人」2013

 プロ生活15年を締めくくる最終打席、バッターボックスに入った横浜DeNAベイスターズの小池正晃は、溢れる涙をおさえることができなかった。

「泣いていることは自覚していました。もうこれで最後かって……」

10月8日の阪神戦で2本の本塁打を放ち、自らの引退試合に花を添えた小池正晃

 10月8日、横浜スタジアム。今季最終戦となった阪神戦は、今シーズン限りでの引退を決めた小池の引退試合となった。4回に今季第1号となる2ランを放つと、8回にもこの日2本目のアーチをレフトスタンドに叩き込み、有終の美を飾った。ファンからの万雷の拍手と大歓声の中、小池は涙ながらにベースを一周した。

 そしてベンチに戻るとチームメイトの温かい祝福が待ちかまえていた。なかでも、小池が青春時代を過ごした横浜高校の同級生である後藤武敏と4学年上の先輩である多村仁志は、自分のことのように涙を流し、小池を向かい入れた。そこには3人にしかわからない想いが交錯していた。

 小池は生粋(きっすい)のハマっ子だ。横浜スタジアムからほど近い保土ヶ谷区出身で、中学時代は中本牧シニアで活躍し、横浜高校に進学。高校時代は松坂大輔らとともに甲子園春夏連覇を達成し、1998年のドラフトで横浜ベイスターズ(のちに横浜DeNAベイスターズ)から6位で指名され入団。横浜に対する愛着は誰よりもあると自負している。