2013.11.12

斎藤佑樹の覚悟「何が待っていたとしても、それも僕の人生」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 日刊スポーツ●写真 photo by Nikkan sports

 最強の24歳になります──。

 斎藤佑樹が札幌ドームのお立ち台の上でそう言ったのは、去年の6月6日。斎藤、24歳の誕生日のことだった。

 しかし皮肉なことに、”最強の24歳”になったのは田中将大だった。去年の11月1日、24歳になってからの1年間、田中は24連勝をマークし、一度も負けることはなかった。まさに最強の24歳である。

現在、沖縄・国頭(くにがみ)で秋季キャンプ中の斎藤佑樹は、『脱力』をテーマにフォームの完成に取り組んでいる。

 2006年の夏、その田中に投げ勝って甲子園で”最強の18歳”となったのは斎藤だった。しかし、最強の24歳にはなれなかった。24歳の最初の日に勝って以来、彼に公式戦での白星はついていない。

 田中の存在について改めて問われた斎藤は、こう答えた。

「マー君のことを訊かれたら、『すごいな』『これでメジャーに行くのかな』とか、みなさんと同じようなことしか答えられません。高校の時のこととか、ライバル云々とか、そういうコメントはしないと思います。それは、いつか追いついて、追い越したいと思っているからです。勝負は今だけじゃないんだって、心のどこかで思ってます。24歳、25歳の現時点では、ピッチャーとしてマー君の方が上です。でも、30歳になったら、40歳になったらどうかということは誰にもわかりませんし、そのための大学4年間だったと思っています。そこには僕、けっこう自信を持ってるんです」

 斎藤佑樹のプロ3年目のシーズンが終わった。

 一軍での登板は1試合。10月2日の札幌ドーム、オリックス戦での4イニングスのみ。その試合で斎藤は負け投手となって、プロ3年目、0勝1敗、防御率13.50という数字が残った。

 それは、二軍で結果を残しての昇格ではなかった。二軍で残してきた数字は1勝3敗、防御率8.61。しかも、その約二週間前、二軍の試合で先発して3回を投げ切ることができず、9失点でノックアウトを喰らっている。それでも斎藤は、一軍のゲームで先発した。