驚異の勝率。CSで侮れないロッテの「短期決戦力」
10月12日からプロ野球のクライマックス・シリーズ(CS)が開幕する。パ・リーグでは楽天、西武に続き、2010年にシーズン3位から日本シリーズ制覇という「史上最大の下剋上」を果たしたロッテが、3年ぶりのCSに挑む。
2005年に続き、2010年も日本シリーズMVPに輝いた今江敏晃
パ・リーグは2004年からプレイオフ制度を導入(2007年からセ・パともにCSがスタート)され、これまでロッテはプレイオフ1回(2005年/シーズン2位)、CSに2回(2007年/シーズン3位、2010年/シーズン3位)出場し、そのうち2度日本一に輝いている。そうした背景から、今回3度目の「下剋上」もあるのでは......と、ひそかに期待を抱いているファンも多いのではないだろうか。
これまでロッテのプレイオフ、CSでの通算成績は15勝8敗(日本シリーズも含めると23勝10敗1分。勝率.697。ただしCSでのアドバンテージは含まない)。対照的に、ソフトバンクは4度もシーズン1位になりながら日本シリーズに進んだのは一度だけで、通算成績は14勝21敗(アドバンテージは含まない)。このことからも、ロッテの短期決戦での強さが見てとれる。この強さの秘訣は何なのだろうか。
「2010年に日本一になった時はシーズン3位だったので、挑戦者という気持ちで戦えたことが大きかったかもしれないですね。逆に、1位のチームからは『優勝したのに、ここで負けたら終わってしまう』というプレッシャーが、こっちにも伝わってきました」
そう語るのは、今シーズン限りで引退したロッテの薮田安彦氏だ。薮田氏はセットアッパーとして2005年シーズンにはチーム最多となる51試合に登板。メジャーから日本球界に復帰した2010年にはCSと日本シリーズで防御率0.00と好投し、チームの日本一に貢献した。
「ロッテは負けたとしても、伝統的に『さあ、明日、明日』ってなるんです。『せっかくここまできたんだから、楽しんでやろう』って。それもチーム全員がそういう意識なんです」
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