大谷翔平のプロ1年目。「二刀流」挑戦は成功だったのか?

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta

 投手として13試合に登板、3勝0敗、防御率4.23。

 野手として68試合に出場、打率.238、3本塁打、20打点。

 ファイターズの"二刀流"、大谷翔平がプロ1年目に残した数字である。
 
 この数字をどう見るか──。

投打に非凡な才能を見せた大谷翔平投打に非凡な才能を見せた大谷翔平

 8月半ばではあるが、ファイターズの編成責任者である吉村浩統括本部長が1年目の大谷について、こんな話をしていたことがある。

「大谷という選手の将来性から考えて、現時点で投手としてもう少し頑張って欲しいという感覚です。まだまだもの足りない。それは、ダルビッシュとの比較です。ダルビッシュの1年目のデータと見比べてみると、大谷は投手としてもうちょっとかなという評価になる。だって、彼はいずれ世界へ行く選手ですから、世界に出て行った選手と比較するのは当然でしょう。ダルビッシュも2年目にギアが入っている。それは20歳までには起こり得ることだと思っていますから、我々も2年目の大谷にはそのくらいの数字を期待しています」

 そこで今年の大谷の数字を、投手として高卒1年目だった2006年のダルビッシュ有と、野手として高卒1年目だった1993年の松井秀喜と、それぞれ比較してみた。

 ダルビッシュは14試合に登板、5勝5敗、防御率3.53。

 松井は57試合に出場、打率.233、11本塁打、27打点。

 こうしてみると、大谷の1年目は決して悪くない数字であることがわかる。

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