2012.11.08

【プロ野球】斎藤佑樹「野球が嫌いになりそうな時期もあった」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

今シーズン19試合に登板して、5勝8敗、防御率3.98だった斎藤佑樹 入団2年目の今シーズン、栗山英樹新監督のもと斎藤佑樹はファイターズの開幕投手に指名された。その期待に応えるように、開幕戦をプロ初完投勝利で飾ると、さらに4月20日のオリックス戦では初完封をマーク。ダルビッシュ有が抜けたファイターズ投手陣の新エースに名乗りを上げた。だが、6月6日のバースデー勝利を最後に勝てない日が続き、7月29日のオリックス戦のあと、ついに二軍降格を命じられた。その後も満足のいく結果は得られず、結局、一軍昇格を果たしたのはシーズン終盤だった。順調なスタートを切ったはずの斎藤佑樹に、いったい何が起きていたのか。激動の2年目を振り返ってもらった。

―― 19試合に投げて5勝8敗、防御率は3.98……。斎藤佑樹投手にとってのプロ2年目は、どんなことを感じたシーズンでしたか。

「あらためて、野球は難しいと思いました。今でも毎日、それを実感しています。まず感じているのは技術的なことですね。とにかくフォームが固まらない。いい感じだなと思っても、すぐその感じがどこかへいっちゃう。何がいいのかもわからなくなって、こうかなってひとつのことを意識すると、もうひとつのことが疎(おろそ)かになってしまうんです。かといって正解がひとつというわけでもない。今もまだ、目指す方向がハッキリ見えているとは言えないかもしれません」

―― 今年はいいスタートを切りました。どこから歯車がずれてしまったのでしょう。

「結果的に勝てていたのでそう思われるかもしれませんが、今年は最初からそんなによくなかったんです。初球にポーンと内野ゴロを打ってもらったりして、完投した試合でも球数は少なかった。それをいいと言ってもらいましたけど、自分の中では手応えにはなりませんでした。三振を取りにいったのに、泳いでバットに当てられて内野ゴロになったり、空振りさせたかったのにハーフスイングで三振になったり……イメージと結果がずれていました。投げている感覚にも手応えがなくて……投げていて、筋肉がいなくなっちゃうんですよね」

―― 筋肉がいなくなっちゃう?

「投げていて感じるんです。ここにあるべき筋肉がいなくなっちゃったって感じ。あれっ、おかしいなって。痛いんじゃないんですよ。本当ならここでグッと止めてくれるはずの筋肉がいなくなっている。わかります(笑)? ほら、よく、ホームランを打ったときって、打った感触がないって言うじゃないですか。あんな感じなんです。投げていて抜けるというか、指にビシッとかかった感じがない。その方が、ボールがピュッといっているのかなと思ったこともありましたけど、とにかく自分の中に手応えがない」