2012.08.28

【プロ野球】3位争いを制するのは?
広島VSヤクルト、それぞれのカギ

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

対ヤクルト戦の防御率1.03と抜群の安定感を誇るルーキーの野村祐輔 優勝マジック26――2位中日に7ゲーム差をつけ独走を続ける巨人。当然ながら3年ぶりの優勝を巨人ファンは心待ちにしているだろうが、その巨人ファンと同じぐらいペナントレースを楽しんでいるのは広島ファンではないだろうか。

「なんといっても15年ぶりのAクラスがかかっていますからね。ファンも、僕らOBも、広島の町も、毎日、カープの戦いが気になって仕方ないですよ」

 そう笑ったのは、1977年から昨年まで選手、コーチ、二軍監督としてカープ一筋の野球人生を送ってきた山崎隆造氏だ。3位になった97年との決定的な違いはクライマックス・シリーズ(CS)があることだ。Aクラスに入ればさらに楽しみが膨らむ。カープファンが熱を帯びるのも無理はない。

 その広島と激しい3位争いを演じているのがヤクルトだ。8月26日の試合で広島が阪神に敗れ、ヤクルトが中日に勝利したため、3位広島と4位ヤクルトのゲーム差は2.5。残り33試合の広島に対してヤクルトは36試合と3試合多く残しているため、その差は実際よりも小さく感じているかもしれない。

 そこで両チームの戦いを見ていると、ともに一進一退の状況が続いており、なかなか乗り切れていないというのが現状だ。8月の戦績(27日現在)を見ても、広島の7勝9敗に対し、ヤクルトは8勝8敗。こうした状況の中で、ポイントになるのはどこなのか。

「15年ぶりのAクラスで前半戦を折り返した広島ですが、対戦成績を見ても大きく勝ち越しているのは、DeNAだけ。ここに来て、阪神にも勝ち越すようになってきましたが、とにかくこの下位の2チームには確実に勝っていきたいところです。問題は大きく負け越している上位2チームにどう勝つか。広島にとっては、ここが最大のポイントでしょうね」

 広島の最大の不安要素は、抑えのミコライオが夫人の出産に立ち会うために一時帰国することだ。シーズン当初は抑えだったサファテも不安定なピッチングが続いており、今村猛にかかる負担は大きくなるだろう。その今村も29試合連続無失点のあとは好不調を繰り返しており、どこまでミコライオの穴を埋められるのか。今村にとっても正念場を迎える。