【プロ野球】斎藤佑樹が語った「エースという言葉は好きです」
斎藤佑樹は交流戦で得た経験を今後にどう生かすのか? 斎藤佑樹に、こう訊いてみたことがある。
――いいピッチャーの定義とは何だと思いますか。
「いいピッチャーは、150キロの真っすぐを投げて、コントロールもピッタピタで、変化球もよくて、防御率もいいピッチャーです」
――では、エースの定義は。
「おっ、来た(笑)。エースの定義ですか。それはいいピッチャーとはまたちょっと違っていて、やっぱり勝てること。それからチームで一番、信頼されること。信頼されて、勝てるというのが一番です。防御率がどれだけ悪くても、どれだけ相手に点を取られても、チームが打ってくれる。で、気づいたら1年間、しっかりローテーションを守って、最多勝を獲っている......そんなピッチャーがエースだと思います」
斎藤によるエースの定義は、「勝てること」。
だとするならば、交流戦を終えて5勝5敗という彼の数字は、エースに相応しい数字なのだろうか。
5勝は、リーグ8位タイ。チームの中では吉川光夫の7勝に次いで2位。武田勝、ブライアン・ウルフの4勝を上回っている。
投球回数、74回。
この数字もリーグ7位、チーム内では武田勝に次いで2位だ。
防御率、2・92。
リーグ12位、チーム内では吉川、武田勝に次いで3位になる。どれもエースとして、合格点はつけられる。
物足りない数字を挙げるなら、被安打82、与えたフォアボール33個、失点33がいずれもリーグワーストだ。さらに、勝ち星と同じ5敗で貯金がないことも、もちろんエースとしては物足りない。
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