【プロ野球】急成長右腕、巨人・宮國椋丞の
ローテーション入りはあるか?

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • 青山浩次●写真 photo by Aoyama Koji

開幕ローテーション入りを目指す2年目の宮國椋丞開幕ローテーション入りを目指す2年目の宮國椋丞 豪華な補強にばかり注目が集まるジャイアンツだが、自前の新しい戦力も忘れてはならない。去年の秋季キャンプから今年のキャンプ、オープン戦にかけて、首脳陣が最も期待を寄せて、成長を見守ってきたのが2年目の宮國椋丞(みやぐに・りょうすけ)だ。

 沖縄の糸満高校では、夏の県大会決勝でこの年甲子園で春夏連覇を達成する興南高校に敗れて甲子園出場は果たせなかったが、素質の高さと将来性を買われ、澤村拓一に次ぐドラフト2位で指名されてジャイアンツに入団した。

 昨シーズンは一軍での登板はなく、ファームで4試合に登板しただけだが、その中で3勝をあげた。この春のキャンプでは一軍メンバーに入り、2月14日の紅白戦では村田修一から三振を奪うなど2回を無失点に抑えた。自主トレで足首を捻挫し、ブルペン入りの初日ではストライクが入らずに大乱調と、出足でつまずいたにもかかわらず、実戦ではしっかり好結果を残した。

 2月19日のタイガースとのオープン戦では城島健司、金本知憲、新井貴浩などの強力打線を相手に3回をパーフェクト、4個の三振を奪った。セ・リーグを代表する強打者相手に気後れせず自分らしい投球を見せた宮國を、「技術だけでなく精神面もしっかりしている」と原監督も絶賛した。

 昨シーズン、ジャイアンツの二軍投手コーチとして宮國を指導していた評論家の小谷正勝(こたに・ただかつ)氏は、宮國の長所を「スポーツマンとしての感性のよさ」だと評する。

「とにかく体を動かすセンスがすばらしい。先発投手としてだけでなく、リリーフでも野手でも、他のスポーツでも成功するような感覚を持っている」

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