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大谷翔平の打撃スタイルの変化 データアナリストが語る「スイングスピード減」の背景にある本当の理由 (2ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Daisuke Sugiura

【驚異のスイングスピードを備えているが故に】

 つまるところ、大谷がシーズン序盤のスランプ時にタイミングを修正するため、より長くボールを見て反応する打撃に変えたのではないかと思う。「インターセプトポイント」が深くなると、理論上はバットスピードは少し下がる。スイングは前へいくほど加速するので、より手前で当てれば最高速度に達する前にインパクトすることになるからだ。

 その結果、今年は打球速度120マイル(約193キロ)の打球や500フィート(約152.4メートル)級の右中間への特大ホームランはまだ出ていない。しかし、それはまったく問題ではない。今季、通算300本塁打をクリアしたなかで、最も大きな変化を挙げるなら、ボールをより深くまで引きつけ、左中間へ本塁打を放っていた原点のスタイルに戻っている点である。バットスピードや飛距離の変化は、その結果として表れるものと思えるからだ。

 これはよし悪しの話ではなく、現在の打撃スタイルを示しているということだ。そして、それができる打者は決して多くない。例えばマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)はボールを深くまで呼び込むタイプだし、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)もそういう打席が多い。

 一方、多くのパワーヒッターは打球を前でさばき、引っ張らなければ長打を打てない。それが最も効率的な長打の打ち方だからだ。でも大谷には、その"最も効率的な方法"は必要ない。ほかの打者より圧倒的なパワーと優れたスイングを持っているからだ。

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