【WBC2026】侍ジャパンの前に立ちはだかるベネズエラ 「負けてなお強い」を印象づけた戦力状況は? (2ページ目)
【日本優位は変わらないが接戦となれば......】
このようなベネズエラの力を認めたうえで、準々決勝はやはり日本が優位という見方が圧倒的ではある。大谷翔平(ドジャース)、吉田正尚(レッドソックス)、鈴木誠也(カブス)という侍ジャパンが誇るメジャートリオが好調であり、何よりも先発投手として山本由伸(ドジャース)を起用できるのは大きい。隙のない前回王者を苦しめるために、ベネズエラのほうもエースの先発左腕ランヘル・スアレス(レッドソックス)の投球が重要になってくる。
スアレスは球威こそさほどではないが、投球のうまさを武器にフィリーズの主戦格として過去2年連続12勝。とにかくマウンド度胸が抜群であり、プレーオフで通算11戦 で防御率1.48という成績にもそれが示されている。
「4万人の観衆の前で素晴らしい投球をしてくれると思う。彼はWBCの中でも最高の投手の一人だから」
ロペス監督はそう語り、スアレスに対する信頼は揺るぎがない。スアレスは昨秋地区シリーズのドジャース戦でも大谷を3打数無安打1三振に抑えており、WBCのビッグステージでも臆することは絶対にないはずだ。
先発投手の投球回数制限が1試合最大80球まで拡大される準々決勝。山本が5、6回まで快投し、日本が2、3点のリードを奪えば、侍ジャパンの順当な勝利が見えてくる。しかし、中盤までスアレスが踏ん張り、ベネズエラが自信を持つ終盤のブルペン勝負に持ち込まれた場合には......。
もちろん日本にとっても試練の一戦である。そして、前回の準々決勝では終盤までアメリカをリードしながら、8回にトレイ・ターナーに満塁弾を許して敗れたベネズエラにとっても、再び大一番が到来した。これまでの両チームの戦いぶりを見る限り、1点を争う接戦になることが有力。スリリングな空気感とともに、マイアミの地で新たな名勝負が生まれそうな予感が濃厚に漂ってくる。
著者プロフィール
杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)
すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう
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