【WBC】「大谷翔平を抑えるために最善を尽くす」アメリカ代表監督の言葉に見る「打倒・侍ジャパン」のための史上最強メンバー編成の狙い (2ページ目)
【打倒・侍ジャパンが最大の目的】
今回は、スクバル、スキーンズと史上初めてサイ・ヤング賞投手がチームUSAにふたりも名を連ねるだけでも異例だが、それだけではない。先発陣には、サンフランシスコ・ジャイアンツのローガン・ウェブ、シカゴ・カブスのマシュー・ボイド、ミネソタ・ツインズのジョー・ライアンと、前年にそれぞれのチームでエース格を担っていた投手たちが並ぶ。
チームUSAは、野手に関しては2006年の第1回大会からデレク・ジーターやアレックス・ロドリゲスといったスター選手が参加し、常に豪華な顔ぶれを誇ってきた。一方で先発投手は、シーズン開幕を控えて「ケガをさせるわけにはいかない」という判断から所属球団が許可せず、選手自身も辞退するケースが続いてきた。それが第6回大会にして、ようやく真の意味でのベストメンバーがそろったのである。
ちなみに、スキーンズは、昨年5月の時点で早くもWBC出場を表明していた。「子どもの頃、WBCを見て育った。もしそのチャンスが巡ってきたら、絶対に断らないと自分に言い聞かせていた。今がまさにその時」と意気込みを語っている。
チームUSAを率いるマーク・デローサ監督は、前回大会の決勝で侍ジャパンの7投手による継投の前に打線が2得点に抑えられ、2―3で敗れた。その雪辱を果たすべく、今回は特に投手陣の充実に力を注いだ。リリーフ陣にも、メイソン・ミラー(サンディエゴ・パドレス)、デビッド・ベドナー(ニューヨーク・ヤンキース)、ブラッド・ケラー(フィラデルフィア・フィリーズ)といったトップクラスの顔ぶれがそろっている。
昨年12月、フロリダ州オーランドで行なわれたウインターミーティングの場で、デローサ監督は、その狙いを率直に語っていた。
「対戦する強打者たちに対応できる"武器"をそろえたいんだ。どんなマッチアップになるとしてもね。なかでも(大谷)翔平は最も厄介な存在だ。彼を抑えるために最善を尽くすつもりだし、できればブルペンに何人か左腕を入れたい。彼が好まない角度から投げられる左腕をね」
大谷が投手としては登板しない可能性もあるのでは、と問われると、デローサ監督はこう続けた。
「もちろん理解はしている。昨季は10月末までプレーして、そこから再び立ち上げるのは簡単ではない。それでも、私は大谷がWBCで投げないとは思っていない。彼が登板する前提で準備を進めているよ」
6回目の大会にして、ついに最強と呼べる陣容をそろえたチームUSA。であればこそ、彼らが倒したい相手はただひとつ、最強の侍ジャパン(日本代表)なのである。
著者プロフィール
奥田秀樹 (おくだ・ひでき)
1963年、三重県生まれ。関西学院大卒業後、雑誌編集者を経て、フォトジャーナリストとして1990年渡米。NFL、NBA、MLBなどアメリカのスポーツ現場の取材を続け、MLBの取材歴は26年目。幅広い現地野球関係者との人脈を活かした取材網を誇り活動を続けている。全米野球記者協会のメンバーとして20年目、同ロサンゼルス支部での長年の働きを評価され、歴史あるボブ・ハンター賞を受賞している。
2 / 2

