【大谷翔平】実力者が次々と戻ってきたドジャース先発投手陣 2年連続世界一への「ドリームシナリオ」
大谷翔平はポストシーズンで2023年WBCの再現なるか? photo by Getty Images
後編:大谷翔平&ドジャース 2年連続世界一への布石
前編〉〉〉打撃コーチが説明する「二刀流」のルーティンと打撃成績停滞の理由
【トレード期限で大きな動きを見せなかった背景】
今季のメジャーリーグは大混戦の様相を呈している。昨季の覇者ロサンゼルス・ドジャースはナ・リーグ西地区首位を走ってはいるものの、シーズン後半にかけてやや停滞気味である。地区2位のパドレスにも3ゲーム差まで迫られており、この13年で12度目となる地区優勝はまだ安泰ではない。
そんな状況下でも、7月31日のトレード期限までにドジャース首脳陣はそれほど大きな補強を行なわなかった。ブルペン補強にブロック・スチュワート、外野の一角にアレックス・コールを加えた程度。基本的にこれまでと同じ陣容で終盤戦、プレーオフに向かっていく。このように抜本的な動きを見せなかった主な理由は、ここに来て先発投手陣が整備されてきているからではないか。
「勝つためには"投手力・守備力・タイムリーな打撃"が必要。そのなかで、しっかりアウトを取れる先発投手が健康でいてくれるのはすごく大事なことだ。去年はそれがないなかでも何とかやってきたが、やっぱり先発が機能すれば、チーム全体の"生活の質"も上がる」
デイブ・ロバーツ監督のそんな言葉どおり、ベースボールはやはり投手力がカギを握る。今季前半は山本由伸の孤軍奮闘という印象だったドジャースの先発ローテーションだが、前半戦終了間際に大谷翔平、もともとエース格の力を持つタイラー・グラスノーがマウンドに復帰。さらには過去サイ・ヤング賞2度のブレイク・スネルも8月2日、ついに先発マウンドに戻ってきた。レジェンドのクレイトン・カーショウ、若手のエメット・シーハンと合わせ、ネームバリューではメジャー最高級の「6人ローテ」が確立されつつある。
昨秋、ドジャースは信頼できる先発投手はジャック・フラーティ(デトロイト・タイガース)と山本しかいないという状況ゆえ、プレーオフ開始前は必ずしも本命視されていたわけではなかった。それでもブルペンの頑張り、ウォーカー・ビューラー(現ボストン・レッドソックス)の復調などで乗りきり、4年ぶりの世界一を成し遂げた。その底力は見事ではあったが、長期視野で勝ち続けられるチームづくりを目論むドジャースが理想にしていた勝ち方ではなかったのだろう。ゆえに昨オフ、大谷の復帰が間近に迫っているのにもかかわらず、スネル、佐々木朗希の獲得、カーショウとの再契約など、先発の層を分厚くする方向に向かったのだった。
1 / 2
著者プロフィール
杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)
すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう

