大谷翔平は前人未到の「50-40」達成なるか 過去「40-40」に到達した偉大な選手たち (3ページ目)
【盗塁の成功率は驚異の89%】
しかし7月に入ってから、大谷は盗塁を急激に増やしている。4月の5盗塁(3月の1盗塁を含む)、5月の8盗塁、6月の3盗塁に対し、7月は12盗塁を記録した。今月も最初の6試合で4盗塁なので、このペースなら2カ月続けてふたケタに達する。ロサンゼルス・エンゼルスでプレーした過去6シーズンは、月別で2021年8月と2023年8月の7盗塁が最も多かった。
ホームランと盗塁は、記録するための"アプローチ"が異なる。たとえば、敬遠四球を除く50打席に立ち、一度もバットを振らずに全投球を見送ることは、まずない。バットを振れば、ホームランになり得る。一方、塁上に50度立っても、盗塁を試みないことはある。試みなければ、盗塁はいつまでもゼロだ。今シーズンのマーセル・オズナ(アトランタ・ブレーブス)は32本のホームランを打っているが、盗塁と盗塁死はひとつもない。
大谷は8月5日、2死から三盗を記録している。二塁ではなく三塁にいけば、パスボールやワイルドピッチ、内野安打によるホームインも起きるが、三盗を試みた場合、アウトになるかもしれない。外野に達するヒットなら、大谷のスピードをもってすれば二塁からでも生還できる。
もちろん、積極的なだけではない。32盗塁に対し、盗塁死は4度。成功率も88.9%と高い。過去2度のシーズン20盗塁以上、2021年(26盗塁)と2023年(20盗塁)の成功率は、今シーズンより10%以上も低かった。
ドジャースの115試合で34本塁打と32盗塁は、シーズン全体で47〜48本塁打と45〜46盗塁となるペースだ。前半終了時の162試合換算と比べると、ホームランはほとんど変わらず、盗塁は5以上増えている。
「30-30」や「40-40」のような10区切りではなく、5区切りにすると、「45-45」は史上初となる。
また、10区切りのまま、ホームランと盗塁の数を揃えなければ、50本塁打以上と40盗塁以上の「50-40」を達成する可能性もある。こちらも、まだ誰も成し遂げていない。それどころか、「50-30」も前人未到だ。
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