大谷翔平は前人未到の「50-40」達成なるか 過去「40-40」に到達した偉大な選手たち (2ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【40本塁打&40盗塁は射程距離】

 1996年のバリー・ボンズは、父のボビーが惜しくも逃した「40-40」を達成したという見方もできる。2006年のソリアーノは、4年ぶり2度目のリーチで「40-40」に到達した。ちなみに、ボンズ親子と違い、ゲレーロの息子であるブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は、「40-40」だけでなく「30-30」に近づくこともないだろう。ふたケタ盗塁のシーズンは、これまでに一度もないからだ。

 2011年のケンプは、大谷が到達するまでドジャースで最後に「30-30」を達成した選手だった。その前の達成者も、1997年に30本塁打&32盗塁、1999年に33本塁打&36盗塁を記録したラウル・モンデシーしかいなかった。モンデシーは1992年〜1996年にドジャースの選手が5年続けて新人王となった時の3人目だ。エリック・キャロス、マイク・ピアッツァ、モンデシー、野茂英雄、トッド・ホランズワースの順に受賞した。

「40-40」を達成した5人と「40-40」にリーチをかけた4人に、今シーズンの大谷を加えた計10人を「30-30」に到達した速さ(チームが終えた試合数の少なさ)の順に並べると、トップ3は、107試合目のロドリゲス、110試合目のボンズ父、111試合目のカンセコと大谷となる。

 また、チームが115試合を終えた時点で比べると、大谷の34本塁打と32盗塁をどちらも上回っている選手はいない。2006年のソリアーノは36本塁打だが28盗塁だった。昨季のアクーニャJr.は54盗塁ながらホームランは26本。1998年のロドリゲスはホームランも盗塁も大谷と同じ。あとの6人は、32本塁打以下と32盗塁以下だった。

 今シーズンの前半戦、ドジャースは97試合を消化した。そこで大谷は29本のホームランを打ち、23盗塁を記録(出場は94試合)。これを162試合に換算すると、48〜49本塁打と38〜39盗塁となり、「40-40」には盗塁が少し足りない。

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