大谷翔平、ベッツ、フリーマンの後続打線を分析 ドジャースは4番〜9番に不安あり?
MVPトリオの後を打つ予定のウィル・スミス捕手 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る
MVP経験者トリオ(大谷翔平、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマン)で構成するロサンゼルス・ドジャースの上位打線は、今季のメジャーリーグで最大の破壊力を備えていると言える。では、4番以降も含めて打線全体を見た場合は、どうだろう? ベテラン、若手とバランスの良い編成が予想されるとはいえ、盤石とまでは言い難い。果たして彼らの実力は?
【勝負のシーズンを迎える4番の捕手・スミス】
ロサンゼルス・ドジャースの1番から3番を司る3人は今季もナ・リーグMVPの有力候補だが、ドジャースにとって彼らと同じくらい価値の高い選手が4番に予定されるウィル・スミス捕手だ(ちなみに背番号はドジャース時代の野茂英雄と同じ「16」)。
2016年ドラフト1巡指名の生え抜き選手のスミスは、2019年にメジャーデビュー、2021年に正捕手になり、2023年にオールスター初選出。攻守に優れているが、その存在価値を如実に示すのがチーム成績だ。昨季ドジャースはスミスが先発した試合は80勝40敗、先発以外の時は20勝22敗と負け越していた。しかし、スミスは看板選手としてはスター性に欠ける。フィールド上では感情を露わにすることがなく、いつもポーカーフェイス。メディアに対しても当たり障りのないことしか言わない。ロバーツ監督も「誠実だし知的だが、面白いタイプではない」と認めている。
とはいえ、今季について期するものがあるはずだ。このオフ、ドジャースは大谷らと大型契約を結んだが、スミスの契約は単年で855万ドル(約12億8500万円、1ドル=150円)。FA資格を得るまであと2年だが、3月には29歳になる。重労働の捕手では、30代になると衰えが来るのも早いと信じられているだけに、大暴れでこのオフに巨額の契約延長を勝ち取りたいところだ。少なくともウィルソン・コントレラスが1年前にセントルイス・カージナルスと結んだ5年総額8750万ドル(約131億2500万円)は抜きたいところだろう。
前を打つ3人は昨季揃って出塁率4割を超えた。打席に立つ度に、複数の走者が塁にいる。彼の打撃力なら十分100打点以上を狙える。
1 / 3
著者プロフィール
奥田秀樹 (おくだ・ひでき)
1963年、三重県生まれ。関西学院大卒業後、雑誌編集者を経て、フォトジャーナリストとして1990年渡米。NFL、NBA、MLBなどアメリカのスポーツ現場の取材を続け、MLBの取材歴は26年目。幅広い現地野球関係者との人脈を活かした取材網を誇り活動を続けている。全米野球記者協会のメンバーとして20年目、同ロサンゼルス支部での長年の働きを評価され、歴史あるボブ・ハンター賞を受賞している。