前田健太の2年35億円は高いのか、安いのか? 先輩・黒田博樹の契約とも比較してみた

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

 今オフ、ミネソタ・ツインズからFAになった前田健太は、ツインズと同じア・リーグ中地区のデトロイト・タイガースに2年2400万ドル(約35億円/2024年〜2025年)の契約で迎えられた。

 契約の内訳は、来シーズンの年俸1400万ドル(約20億円)と2025年の年俸1000万ドル(約15億円)だ。年俸のなかから0.5%ずつ、7万ドルと5万ドルを球団のチャリティに寄付する。

来年開幕時には36歳となる前田健太 photo by AFLO来年開幕時には36歳となる前田健太 photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る「この度デトロイトタイガースと契約させていただきました。人生初のFAで不安もたくさんありましたが思っていたよりも早く決まり安心しました。1番最初にオファーをくれたチームがタイガースでした。その気持ちが嬉しく選ばせていただきました。チームの勝利に貢献できるように一生懸命投げたいと思います!(後略)」

 前田はインスタグラムにこう綴った。

 その前にも2度、前田は移籍している。けれども、インスタグラムの文章にあるとおり、今シーズンが終わるまでFAになったことはなかった。2015年のオフはポスティングシステムを利用し、広島東洋カープからロサンゼルス・ドジャースへ移った。2020年2月にドジャースからツインズへ移籍したのは、トレードによるものだ。

 前田がドジャースと交わし、ツインズがドジャースから引き継いだ8年2500万ドル(約29億円・当時、以下同/2016年〜2023年)の契約には、開幕ロースター入り、先発登板数、イニングに応じた出来高がついていた。たとえば、メジャーリーグ1年目の2016年に前田が得た金額は、出来高を含めると1190万ドル(約13億5000万円)に達した。

 さらに契約には、トレードにされるたびに100万ドルという条項もあった。この100万ドルは前田を獲得したツインズではなく、放出したドジャースが負担したようだ。

 ただ当然ながら、出来高はゼロの可能性もある。トレードも起きるとは限らない。契約の時点で確実にもらえることが決まっていた金額は、前回が年平均312万5000ドル(約3億5000万円)だったのに対し、今回は年平均1200万ドル(約17億5000万円)だ。4倍近くアップしたことになる。

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