ホワイトソックスに指名された西田陸浮が明かす米ドラフトの裏側「スカウトと食事、18チームの方と話をさせていただいた」

  • 白鳥純一●取材・文text by Shiratori Junichi

ホワイトソックス西田陸浮×アスリートジャパン根本真吾氏

インタビュー後編

(前編:「この先、野球を続けるのはしんどいな」と考えていた西田がなぜホワイトソックスから11巡目でドラフト指名されるまでに至ったのか>>)

 今年7月のMLBドラフト会議で、シカゴ・ホワイトソックスの11巡目で指名されたオレゴン大学3年の西田陸浮。MLB選手としてのキャリアを歩み始めた西田と、その留学をサポートしてきたアスリートブランドジャパン株式会社代表の根本真吾氏に、ドラフト当日のエピソードや今後について聞いた。

MLBドラフトでホワイトソックスから指名を受けたオレゴン大の西田陸浮(写真/本人提供)MLBドラフトでホワイトソックスから指名を受けたオレゴン大の西田陸浮(写真/本人提供)この記事に関連する写真を見る

【ドラフト1時間前、ホワイトソックス関係者から「テレビを見てくれ」】

――2年生のマウントフッド・コミュニティ・カレッジを経て、オレゴン大学に編入されましたが、その際はどのような形でオファーが届くのでしょうか?

根本:アメリカでは、2年制大学が4年制大学と同じ野球連盟に所属していて、2年制大学の有力選手を4年制の大学がスカウティングしているんです。

 年に1度のレギュラーシーズンに加えて、公式戦のない夏にはサマーリーグが各地で開催され、30~40試合が組まれています。西田選手の場合は、1年目のシーズンで大活躍した後に、サマーゲームでも存在感を示したので、それもスカウトの目に留まる要因だったのかなと思います。

西田:シーズンが終わると、さまざまな大学から僕のSNSやメールに直接連絡が来るようになって、それらのオファーを比べながら交渉を重ねていくという流れでした。最終的には400万円くらいの奨学金を出してもらえることになって、それ以外にもさまざまな形で学校がサポートをしてくれたので、本当に助かりました。

 1年目のサマーリーグの時は、夏の間に4回くらいチームが変わって、最終的にはランキング6位のチームでプレーすることができました。たった数カ月の間に環境が大きく変わり、さまざまな人との出会いが刺激にもなった。常に新しい目標を立てながら、モチベーションを維持できるのはアメリカ特有だなと思いました。

―― 一方で、目まぐるしい環境の変化に対応できない選手もいるのではないでしょうか。

根本:残念ながらそのような選手も一定数見てきました。どんな状況も柔軟に受け入れられるところは、西田選手のよさでもあり強みだと思います。

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