筒香嘉智のメジャー昇格の可能性は10段階で「2、3くらい」。レンジャーズ専門メディアの記者3人が語ったリアル評 (2ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

 ただ、チーム事情を考えれば、レンジャーズが筒香を選んだ理由はいくつも浮かんでくる。サンダース記者は次のように話す。

「レンジャーズはアジアでのスカウティングに積極的なことで知られていますし、ヨシのこともNPB時代からよく知っているはずです。さらにレンジャーズは、左打者で、ナサニエル・ロウ(一、三塁手)のバックアップができる選手も探していました。(レンジャーズは)オフに投手の補強で多額の資金を費やしたので、ロースター枠を(筒香のように)年俸が安い選手で埋めることができれば、チームとしても非常に助かります」

 さらにアール記者は、筒香が2021年にピッツバーグ・パイレーツで見せた活躍(43試合出場で打率.268、本塁打8本、25打点)に触れ、「あの打撃が再現されることを期待して、(キャンプ招待付きの)マイナー契約を結んだのだろう」と推測する。

 つまり筒香がこの契約を得られたのは、日本時代とパイレーツ時代(2021年)に示した打撃力が評価され、左打者のユーティリティプレイヤーであり、かつ安価なことがレンジャーズにとっていい条件だったということだろう。こう見ると、筒香のレンジャーズでのロースター入りも少し期待が膨らんでくる。

 各記者も「オープン戦で結果を残せば、メジャー昇格の可能性はゼロではない」と語るが、筒香がメジャーのロースターに入るのが簡単ではないことに変わりはない。レンジャーズには、すでにメジャーレベルの実力を持つ外野手が何人もいるからだ。

 レンジャーズは1月27日、クリント・フレージャーとトラビス・ジャンコウスキーという2人の外野手とマイナー契約を結び、メジャーキャンプに招待することを発表している。レンジャーズの外野には彼らの他に、ババ・トンプソン、ジョシュ・スミス、エゼキエル・デュラン、ブラッド・ミラーがいる。サンダース記者は、筒香のメジャーロースター入りの可能性を、10が最高点の10段階で「2、3くらいだ」と話した。

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