澤村拓一はまだメジャーで投げられるのか。地元メディアのリアルな評価、エンゼルスなど現在の移籍先候補は? (3ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

獲得候補はメッツ、ドジャース、エンゼルスも?

 実際、潜在的な移籍先候補はすでにいくつかある。例えば、ニューヨーク・メッツがそのうちのひとつだ。メッツ専門メディア『ライジング・アップル』は今夏のトレード期間中の獲得候補のひとりに澤村の名前を挙げ、「澤村は優れたスプリットを持ち、左打者は彼との対決を制するのが困難な選手だ」と述べている。トレード期間中での獲得は実現しなかったが、候補に挙げられるほどニューヨークでも高く評価されているようだ。

 また、澤村がDFAとなった直後の8月30日には、野球専門メディア『ファンサイデッド』で「ロサンゼルス・ドジャースは、最近放出されたレッドソックスのリリーフ投手にチャンスを与えることができるだろうか?」という記事が掲載され、ドジャースならばフィットすると予想も出ている。前出のエンリケ記者も「ドジャースは、ぴったりだと思う」とこの意見に賛同した。

 これら2チームは、ともにポストシーズン進出がほぼ確実となっている強豪。澤村は8月31日までに40人枠ロースター入りしていないため、いずれに移籍したとしてもポストシーズンで投げることはできない。それでも、昨季ポストシーズンでの登板経験があり、シーズン終盤のプレッシャーがかかる場面でも起用できると考えれば、澤村の獲得に動いても不思議ではない。

 他にもインターネット上では、大谷翔平が所属するロサンゼルス・エンゼルスへの移籍を希望する声も上がっている。エンゼルスといえば、ブルペン陣の弱さが長年の課題となっているのは有名な話。また、今夏は守護神のライセル・イグレシアスをアトランタ・ブレーブスにトレードで放出し、ジミー・ハーゲットやホセ・キハダをクローザーに起用するなど、今季もブルペンのやりくりに苦労している。

 澤村は7月と8月こそ月間防御率はそれぞれ4.60(7月)、4.66(8月)と悪化していたが、49試合の防御率は3.73で、エンゼルスのアーロン・ループ(55試合で防御率3.96)、ライアン・テペラ(50試合で防御率3.58)に近い数字だ。WHIP(投球回あたりの与四球・被安打数の合計で、1.40より数字が低いほうがいいとされる数値)は澤村が1.42で、ループの1.30やテペラの1.03に比べると見劣りはするが、エンゼルスに加入すればブルペン陣の層は確実に厚くなる。(いずれも9月13日現在の成績)

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