澤村拓一はまだメジャーで投げられるのか。地元メディアのリアルな評価、エンゼルスなど現在の移籍先候補は? (2ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

澤村は「スケープゴートにされた」

 しかし、今季の澤村は安定性に欠けており、エンリケ記者も「澤村の9イニングあたりの奪三振数は、昨季の10.4から7.1に減少していた」と指摘。また、レッドソックス本拠地のフェンウェイ・パークでの防御率の悪さ(5点台)を挙げ、「彼は(昨季)いい仕事をしていたと思うが、今季はあまりに不安定な時期が多かった」という。実際、澤村はDFAを受けた当日の28日も、本拠地でのタンパベイ・レイズ戦に2番手として登板したが、1回を投げて4安打2四球3失点と乱調だった。

 澤村がDFAされたことについて「正しい動きだったと思う」とエンリケ記者は言うが、同時に「澤村は決して悪い投手ではない」とも強調する。

「澤村はレッドソックスが現在ロースターに抱える1、2人の投手よりはいいオプションだと思う。総合的に考えてみると、彼はいいピースだったと言えます。

 ただ、チームは澤村を『長期的に見て負債になる』と感じていたのだろう。また、レッドソックスは彼に依存しすぎていたのかもしれない。それは結局、レッドソックスがうまくブルペン陣を構築できなかったという話にも帰結します」

 今季、レッドソックスはブルペン陣が崩壊している。チーム防御率は9月13日現在、4.48でMLB全体24位だ。この"投壊"でレッドソックスはア・リーグ東地区5位に沈み、ワイルドカードまで10ゲーム差と、崖っぷち状態。このことから、澤村のDFAは球団にとって必要な変化で、「ブルペン全体の成績が悪かったことのスケープゴートにされたと私は思っています」とエンリケ記者は言う。
 
 シーズン終了まで20数試合というなかで、澤村に移籍のチャンスはあるのか。同記者は「澤村の存在価値はある」と述べ、今後もメジャーでプレーできる可能性を指摘。ボストンというビッグマーケットで2年プレーしていたことと、ポストシーズン(3試合)での登板経験を理由に挙げた。さらに同記者は、他球団で四球を減らすことができれば、復活の公算は大きいとも言う。前述の通りウェーバー公示では澤村の獲得を希望する球団はなかったが、これらの実績から、今後メジャー球団からのオファーを受ける可能性はありそうだ。

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