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イチローが「孤独だった」と振り返った過去。チームメイトに誤解されても「負けるのはあり得ない」と貫いた信念 (3ページ目)

  • 小西慶三●文 text by Konishi Keizo
  • photo by Getty Images

 センター後方の大型スクリーンでは過去の活躍映像が延々と流され、エンゼルス大谷翔平、WBC日本代表でともに戦った松坂大輔さんらがビデオメッセージで祝福の言葉を贈る。セレモニー出席者はグリフィー・ジュニア、マイク・キャメロンにラウル・イバネス、長谷川滋利氏ら元チームメイトや、米殿堂館長を務めた友人ジェフ・アイドルソン氏らだ。

 渋い紺スーツに身を包んだイチローさんは、英語で約16分間のスピーチを披露した。時折混じるジョークにほぼ満員のスタジアムが沸く。スタンドのあちこちで51の手製ボードが揺れ、何度となく「イチロー・コール」が起こった。

 そんな光景を記者席から眺めながら、「言葉とは『何を言うか』ではなく、『誰が言うか』ではないですか」という言葉を心の中で反芻した。イチローさんの言葉は強い。しかし、その行動の積み重ねとそれに費やされた時間は、その言葉よりずっとずっと重い。

 結局のところ、自分の信じたことを貫き通した人が、その世界に長く残っていくのだろう。本当の勝者とは何かを、イチローさんの式典を取り巻く空気がよく示している気がした。

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