検索

大谷翔平の打撃は不調なのか。現地記者たちが「問題ない」と断言する理由と数字 (2ページ目)

  • 澤良憲●文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by AP/アフロ

大谷の驚異の修正力

 2年連続MVP獲得への期待の大きさを考えると、今季開幕から8試合、31打席目で本塁打が出るまで、このように心配する声が上がっていたのも無理はないだろう。ただ、シーズンは始まってまだ3週間。序盤もいいところだ。大谷への期待が過剰になってしまっているのかもしれない。

 大谷自身、開幕直後に打撃が本調子ではなかったことをメディアに明かしている。4月14日、敵地でのレンジャーズとの試合後の会見ではこのように話した。

「(14日までの自己評価)甘い球を見逃すことがあるので、自分の状態がそこまでよくないかな、という印象は強いです」

 大谷はさらにこう続けている。

「(その時点で29打席5安打という状況に)すごくいい状態ではないですけど、結果よりは、そんなにひどくはないかなとは思います。一歩の動きの少しの遅れとか、そういうことが原因かなと思うので、もう少し大胆に動けるような準備をしたいなと思います」

 それ以外にも大谷は、スイングの動き出しに遅れがあることや、打球の軌道のズレがノーアーチの原因であると自己分析を語った。

 しかし、大谷の修正力は驚異的だ。翌15日の試合で1試合2本塁打を、16日の最後の打席でも本塁打を放った。2試合連続弾で3本という活躍に現地も大興奮。熱狂的な大谷ファンで知られる『FOXスポーツ』のアナリスト、ベン・バーランダー氏は4月19日、自身がMCを務める「フリッピン・バット」で「彼がついに目覚めた。昨季のMVPが戻ってきた」と喜びを爆発させている。

 もっとも、現地でも大谷の打撃復活はすでに予見されていたことである。スポーツメディア『ジ・アスレチック』の記事(4月15日付)で、エンゼルスのジョー・マドン監督のコメントが次のように紹介されている。

「彼は大丈夫だ。問題ないとだけ言っておこう。スイングはいいし、調子もすぐに上がる。彼はホットになり、ショーヘイらしいことを始めるだろう。現在の数字がどうであれ、彼は昨季とまったく同じ(好調な)状態だ」

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る