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筒香嘉智はパイレーツと再契約するのか。地元メディアは熱望も交渉を難しくしそうな2つのネック (3ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

 さらに、『ピッツバーグ・ポスト・ガゼット』のマイク・パーサック記者は、自身のSNSで、「(先述の会見で)チェリントンGMが多くの金を費やすことを熱望しているようには聞こえなかった」と明かしている事実もある。「GMが実際にそう言ったわけではない」と補足はしているが、これらの情報から予想すると、筒香はここで多くを望むことはできないのではないだろうか。

 では、現実的な年俸はいくらぐらいか。マッキー記者によれば、チーム関係者は口を硬く閉ざしており、「(筒香には)いい面と悪い面が極端にある」という理由もあることから、金額の予想は困難だという。それでも同記者は、「300万〜400万ドル(約3億3500万〜4億4660万円)だと思います」と自身の予想を教えてくれた。スルボドニック記者も同様の額を予想し、その根拠を次のように述べている。

「(パイレーツで)彼が打席で一貫した活躍を見せ、また(交流戦で適用される)DHというポジションも可能なことを考えると、1年300万ドルの契約が合理的ではないでしょうか」。

 彼らの予想どおり、筒香の来季の年俸が300万ドルほどとなれば、今季の年俸700万ドルからは大幅な減俸にはなる。だが、パイレーツの財政状況から考えれば相当な額であり、パイレーツが筒香をいかに高く評価しているのかがわかるだろう。

 しかし、パイレーツと筒香との交渉において、前述の金銭的な理由以外で再契約に至らない可能性もあることを現地記者は指摘する。

 スルボドニック記者は、「彼の守備力が問題になるかもしれない」と心配する。今季、筒香はユーティリティプレーヤーとして、一塁手、三塁手、左翼手、そして右翼手を経験している。パイレーツでは右翼手として20試合に出場しているが、そもそも右翼は筒香の本業ではない。初めての経験に加え、変則的な形をしているパイレーツの本拠地で苦労した場面もあった。記録したエラー数はわずか1だったが、同記者は「エラーにはならないミスプレーがいくつもあった」と指摘。「チェリントンGMは攻守に優れた選手を好むので、もし再契約に至らなければ、それが理由である可能性が高いです」と懸念を示した。

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