ドジャースによる筒香嘉智「再生計画」。ポジションはどこになるのか

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

 5月11日(現地時間:以下同)、メジャー2年目の筒香嘉智が、所属するタンパベイ・レイズからDFA(事実上の戦力外通告)を受けた。契約の途中にも関わらずDFAの判断を下されたことに驚いた人も多いかもしれないが、レイズ専門メディア『DRAYS BAY』のサンフォード記者は「(筒香が)打てないのであれば、最悪の場合リリースされる可能性もあります」と、開幕前からこの結果を予想していた。

ドジャースで再起を図る筒香ドジャースで再起を図る筒香 筒香は、今季は昨季以上に打撃面での貢献が求められていた。新型コロナウイルスの影響により変則的な日程で行なわれた昨季、打撃で苦しむ筒香に対して現地メディアは「メジャーに適応する時間が不十分だった」と同情し、厳しい評価は少なかった。だが、キャンプで十分な時間を与えられた今季は躍進を期待されていた。

 もちろんチームも筒香を優遇した。負傷者が相次いだことも影響しているが、チームは筒香を指名打者だけではなく、メジャーでは初めてとなる一塁手としても起用。さらに一番打者としてスタメン出場させるなど、とにかく筒香の出場機会を増やし、開幕序盤から多くのチャンスを与え続けた。

 筒香はその期待に応えることができなかった。レイズでは26試合に出場し、78打席13安打5打点、打率.167と深刻な打撃不振に陥った。チーム内でも2番目の高額年俸選手(700万ドル:約7億6000万円)でありながらまったく貢献ができていない筒香に対して、レイズはついに見切りをつけた。これが今回の筒香解雇劇の大略だ。

 本来の強みである打撃に関して"メジャー失格"という烙印を押され、レイズからDFAを受けた筒香には、1週間以内に獲得を希望するメジャー球団が現れなければ、解雇かマイナーリーグへの降格しか選択肢はなかった。一部では日本球界への復帰も予想されるなど、その去就が注目されていた中、5月15日、筒香に救いの手を差し伸べるメジャー球団が現れた。昨季のワールドチャンピオン、ロサンゼルス・ドジャースが金銭トレードで筒香を獲得したのだ。

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