「最強」大谷翔平の一挙一動がMLBの話題の中心。監督の起用法に注目

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP/AFLO

 現在、メジャーリーグには大谷翔平旋風が吹き荒れている。今季は開幕から正真正銘の"二刀流"選手として活躍し、2018年のデビュー時と同じく、いや、それ以上の話題性を帯びることになった。

5月20日のインディアンス戦で先発した大谷(右)に、外野守備を指示するマドン監督5月20日のインディアンス戦で先発した大谷(右)に、外野守備を指示するマドン監督 現地時間5月18日まで3試合連続本塁打を放ち、ホームランダービーでトップを快走し始めたあたりで注目度はピークに達した感がある。多くの関係者が大谷を絶賛しているが、その空気感をわかりやすく表わしているのは、メッツの右腕、マーカス・ストローマンが5月19日に残した次のようなツイートだろう。

「MLBのみんながその才能に恐れおののいている。僕も、試合が終わったら急いでスマホに飛びつき、大谷が何をしたかをチェックしているんだ」
 
 今や日本のメディア、ファンだけではなく、全米のスポーツファンが大谷の一挙一動に一喜一憂。空前のスケール感を誇るエンゼルスの背番号17は、メジャー4年目にして「リーグ最大の注目選手になった」と言っても大袈裟ではあるまい。

 筆者は5月10日から16日まで1週間にわたってエンゼルスを追いかけ、アストロズ、レッドソックスとの3連戦を取材した。そこでの6試合で、今さらながら大谷の底知れない能力に畏怖の念を抱くことになった。

 11日のアストロズ戦では「2番・投手」という"リアル二刀流"で出場し、強力打線を7回まで1失点10奪三振に抑える快投。14日のレッドソックス戦ではバッターとして、エンゼルスタジアム名物の左翼フェンス、通称"グリーンモンスター"を軽々と超えるホームラン。さらに16日の同カードでは9回表2死に、今季のセーブ失敗数ゼロだった守護神マット・バーンズの速球を、右翼ポール際に打ち込む逆転2ランでチームを勝利に導いた。

 多くのハイライトの中でもっとも印象的だったのは、11日のアストロズ戦での起用法とパフォーマンスだった。

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