ダルビッシュもMLBに痛烈な言葉。新開幕プランに2つの大きな問題 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

 これらの提案は、それぞれ理にかなっていると思える。当初に考案された一極集中ではなくても、同地区のチーム同士の試合だけならば、移動での感染リスクは低くなる。家族と離れ離れになる隔離政策に難色を示したとされる一部の選手も、この方向性ならば納得するかもしれない。

 シーズン中の試合数は通常の半分にする一方で、プレーオフの出場チームを増やすというのも興味深い試みだ。短めのレギュラーシーズン、より厚みのあるプレーオフを短期間に挙行することで、例年以上にカジュアルなスポーツファンの興味を惹くことも可能だろう。

「安全面と経済面で必要なことが解決し、選手会と合意できる自信を持っている」

 5月14日、CNNの番組に出演したMLBのコミッショナー、ロブ・マンフレッドはそう述べた。今後、リーグと選手会の話し合いが順調に進めば、早い時期にシーズンを開幕できるかもしれない。

 ただ、一応のガイドラインはできたものの、実際に開幕まで辿り着けるかどうかには懐疑的な見方もある。超えなければならない壁は多く、とくにネックになっているのは"安全面"と"マネー"。MLBと選手会の話し合いが始まって以降、選手たちから続々と厳しい意見が出てきている。

 5月11日には、ナショナルズのリリーフ左腕、ショーン・ドゥーリトルが連続ツイートを投稿。コロナ禍中にプレーすることでの健康面の対策に疑問を呈した。

「選手、家族、チームスタッフや球場で働く人たちのための安全対策や、シーズン開幕に必要な労働力など、MLB再開のプランの中でもっとも重要な部分が飛ばされてしまったように感じている」

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