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初対決の大谷も返り討ちか。ヤンキース
田中将大の真っ直ぐにキレ戻る (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

「(真っ直ぐの球速は)シーズンが進んでいけば上がっていくのはわかっている。スプリングトレーニングよりもシーズンに入ったら上がっているし、もう自分でもわかっているから特に心配してないです」

 そう述べていた田中は、本来の真っ直ぐの勢いをこれから徐々に取り戻し、調子を上げていくように思える。ローテーション通りなら、今後2戦は温暖なアナハイム、ヒューストンでの先発。4月28日に予想される注目のカードにも、質のいい速球を引っさげて臨んでくる可能性は高い。

 ついに実現する大谷翔平との直接対決――。メジャーではまだ"ビッグゲーム"とは言えないが、日本のファンにとっては楽しみな"ビッグイベント"だ。大舞台での強さを何度も証明してきた田中が、今回はどんな姿を見せてくれるかにも興味がそそられる。

 今シーズン開幕直後、鮮烈なデビューを飾った大谷について聞かれた際に、田中はこう述べていた。

「いち選手として見てます。同じリーグだし、対戦もあるし、別に『頑張ってほしい』なんて目では見ていない。ホームランを打って、『ああ打ったか、すごいなあ』と思ったくらい。対戦したら抑えなきゃいけない」

 これを、サービス精神のないコメントなどと考えるなかれ。その背後には、渡米5年目を迎えたメジャーリーガーとしての誇りと、自身と同じ舞台に立ったひとりの選手へのリスペクトが確かに感じられた。

 2人のキャリアはここでついに交錯する。スリリングな予感とともに、上り調子の選手同士による好勝負の匂いが静かに漂ってくる。

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